ヘラー・ギャラリーは、受賞歴のある芸術家トゥーツ・ジンスキーの個展「Past/Present」を開催する。ロードアイランド州プロビデンスを拠点とするジンスキーの作品が、ギャラリーの新しい展示スペース「The Curator Lab」にて披露される。
ジンスキーの独特なスタイルは、「フィレ・ド・ヴェール」と呼ばれる独自の技法に基づいている。この技法では、髪の毛ほどの細さのイタリア製ガラス繊維を何千本も用いて彫刻的な器の形を作り出し、それらを融合させ、キルンの中で熱いうちに手で成形する。
本展では、1980年代にさかのぼる11点のアーカイブ作品と、最新の8点の作品が展示される。ジンスキーの作品は、鮮やかな色彩パターンと波打つ形状が特徴的で、彼女の色彩に対する深い関係性を雄弁に物語っている。音楽愛好家でもあるジンスキーは、若い頃に共感覚という神経学的な状態を経験し、音楽を色彩として知覚していた。この経験は、彼女の芸術的才能を豊かにする贈り物となった。
トゥーツ・ジンスキーは、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインでデール・チフーリのもとでガラスを学び、1973年にBFAを取得した。彼女は、スタジオ・ガラス・ムーブメントの初期のパイオニアの一人として、ピルチャック・ガラス・スクールの設立に関わった。
ジンスキーの作品は、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、パリのルーヴル美術館装飾美術館など、世界100以上の美術館やパブリックコレクションに収蔵されている。彼女は2015年スミソニアン・ビジョナリー賞をはじめ、数々の栄誉ある賞を受賞している。
「Past/Present」展は、2025年1月23日から2月15日まで、ニューヨーク市ウェスト20丁目529番地のThe Curator Labにて開催される。この展覧会は、ヘラー・ギャラリーがチェルシーのスペースを閉鎖して以来初めての展示となり、ジンスキーの芸術的旅路を振り返る貴重な機会となるだろう。