一般的なカーシートはモノトーンカラーが多い。よりカラフルな外観を実現するためには、まず革や合成皮革にパターンを印刷した後、希望の形状に型抜きする必要があります。その際、基材の伸縮による印刷面の劣化を防ぐため、柔軟なインキが欠かせない。このニーズに応えるため、富士フイルムは合成皮革専用に設計された最先端のINKJET技術を導入した。
新たに配合された合成皮革用の水性インクは、高い柔軟性(伸縮性)と優れた耐摩擦性を誇る。これにより、皮革や合成皮革の成型工程で、型紙がひび割れすることなく、そのままの状態を保つことができる。また、凹凸のある基材に対しても、耐久性があり、薄く均質なインキ皮膜を形成するため、エンボス加工を施した後でも、パターンを長時間密着させることができる。また、富士フイルムの合成皮革用インキジェット技術に水性インキ素材を採用し、より快適で環境に優しい室内環境づくりに貢献している。
富士フイルムの合成皮革用水性インキジェットテクノロジーは、インクジェットプリンターとの相性が良く、多彩なデザインに対応します。様々な表面に希望の色、テクスチャー、パターンを施すことができ、既製の版を必要としない可変デジタル印刷を容易にします。各基材はオンデマンドでユニークなデザインにカスタマイズできる。さらに、デジタル印刷では、製版データを電子的に保存できるため、物理的な版の保管が不要になり、生産工程が合理化される。
富士フイルム(中国)のイノベーションセンター長であるティエン・サトシ氏は、「富士フイルムは、当社の合成皮革用水性インキジェット技術をフルに活用し、中国の自動車市場に革新的な要素を導入するつもりです。また、この技術をより幅広い皮革や合成皮革の用途に広げていきたいと考えています。今後も、産業用インクジェット市場に画期的な製品を継続的に開発・提供し、業界の成長と発展に貢献していきます。”
今回の富士フイルム中国とトヨタ紡織中国の協業は、自動車分野において大きな一歩を踏み出すものであり、最先端技術による自動車内装のカスタマイズ性と耐久性の向上を約束するものである。