ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、稀少な芸術作品の特別展「カラッチの下絵:神話の誕生」を開催します。この展示会では、16世紀末に制作された巨大な下絵(カートゥーン)2点が公開されます。
これらの作品は、アンニーバレとアゴスティーノ・カラッチ兄弟によって制作された、約4メートル幅、2メートル高の壮大な下絵です。木炭と白チョークで描かれたこれらの繊細な作品は、ローマのファルネーゼ宮殿の天井フレスコ画のために準備されたものです。オウィディウスの『変身物語』に着想を得たこの神話的場面は、ルネサンス期の画家たちが当時の観客のために再解釈した古代の物語を表現しています。
展示される下絵には、フレスコ画制作のための輪郭の複写や漆喰への転写に使用された跡が残されており、ルネサンス期の芸術家とその工房の作業過程を垣間見ることができます。これらの作品は、芸術的創造力と技術的な革新性を示す貴重な証言となっています。
ナショナル・ギャラリーのクリスティーン・ジーデル准キュレーター(ルネサンス絵画担当)は、「カラッチの下絵は創造性と想像力の驚くべき表現です。バロック期の夜明けにローマで制作された最も野心的なフレスコ装飾の一つの創造過程を垣間見る魅力的な機会を提供できることを嬉しく思います」と述べています。
「カラッチの下絵:神話の誕生」展は、2025年4月10日から7月6日まで、ナショナル・ギャラリーのRoom 1で開催されます。ルネサンス期の芸術制作の秘密に迫るこの稀有な機会をお見逃しなく。