アイコンギャラリーは、ミャンマー出身の多分野にわたるアーティスト、フテイン・リンの大規模な個展を開催する。この展示会は、困難な時代における人間の経験を記録することへの彼の生涯にわたるコミットメントを喚起するものである。
展示の中心となるのは、「000235シリーズ」から選ばれた45点以上の作品である。これらは、フテイン・リンが1998年から2004年まで政治犯として収監されていた際に、刑務所の制服や見つけた布地の上に制作した絵画である。歯磨き粉のチューブの先端、医療用ボトル、錠剤のパッケットを使って描かれた渦巻く動脈や苦しむ臓器、鋭利な骨のラビリンスは、閉じ込められた状態での彼の芸術の独創性と創意工夫を示している。
新作の大規模絵画「炎の地獄」(2024年)は、ミャンマーの農村部の人々、特に少数民族や宗教的マイノリティが進行中の内戦に巻き込まれている窮状を描いている。赤金色の炎に囲まれた人々が、子供や高齢者、動物を抱えて燃え盛る村から逃げ出す様子が描かれている。
展示会では、ビデオ作品も紹介され、フテイン・リンの執筆活動やパフォーマンスについての洞察を提供する。「ハエ」は、2004年に刑務所から釈放された後の2005年にヤンゴンのフランス文化院で行われたパフォーマンスを記録したものである。
さらに、フテイン・リンはイギリスのバッキンガムシャー州にあるHMPグレンドンの居住者と共同で新しい作品を制作している。これには、刑務所の居住者の肖像画や、アーティストの彫刻技法にインスピレーションを受けた石鹸ブロックの彫刻が含まれる。
この展示会は、フテイン・リンの芸術的な旅と、困難な状況下での創造性と回復力を探求する重要な機会を提供する。2025年3月20日から6月1日まで開催される。