Temple Bar Gallery + StudiosとSouthwark Park Galleries、Emily Waszakを初の国際個展作家に選出

Emily Waszak. Installation view, Faigh Amach, Temple Bar Gallery + Studios, 2025. Photo: Ros Kavanagh.
Lisbeth Thalberg
リスベット・タルバーグ(Lisbeth Thalberg)
ジャーナリスト、アーティスト(写真家)。MCMアート...

Temple Bar Gallery + Studios(TBG+S)は、ロンドンのSouthwark Park Galleries(SPG)と連携し、アーティストのEmily Waszakを初の国際個展の出展作家として選出した。 この招待はTBG+Sでのグループ展『Faigh Amach』で始まった協働を発展させるものであり、アイルランド拠点の実践をキュラトリアルな対話と的確な制度的支援を通じて国際的なプラットフォームにつなぐプログラムの新段階を示す。

『Faigh Amach』からソロ招待へ
『Faigh Amach』は、TBG+SがCulture IrelandおよびSPGとともに企画した、アーティストがアイルランド国外で初の個展を実現することを支える取り組みである。 同展には公開公募で選ばれた3名—Ella Bertilsson、Kathy Tynan、Emily Waszak—が参加。最終選考に先立ち、SPG、TBG+S、ゲストアーティストのNiamh O’Malleyが350件超の応募を精査した。プロジェクトの枠組みにより、単発の判断ではなく、時間をかけて各実践を見極めるプロセスが可能となった。

キュラトリアル・プロセスと選考基準
準備期間から会期中にかけて、SPGのディレクターJudith Carltonと副ディレクターCharlotte Bakerは、参加アーティストのスタジオを対面・オンラインで継続的に訪問し、その後TBG+Sでの展示も視察した。 こうした関与の積み重ねが、Waszakに対するSPG・Lake Galleryでのソロ・プレゼンテーションの正式招待へと結実した。 決定は、作品が自然・アイデンティティ・喪失・風景・物質性・コミュニティといった主題にどう応答するかをめぐる継続的な対話を踏まえたものである。

支援パッケージとプロフェッショナル・ディベロップメント
この機会はTBG+SとCulture Irelandの共同資金によって支えられている。 アーティスト・フィー、旅費・宿泊費、制作費が含まれ、SPGは本取り組みの一環としてプロフェッショナル・ディベロップメントの機会も提供する。 これらの財政的・制度的支援は、ロンドンの確立された拠点のリソースとキュラトリアルなメンタリングのもと、作家がスケールとレンジを拡張して取り組むための集中的な環境を整える。

実践の概要
Waszakの実践は、日本的文化遺産に根差す儀礼、喪失の経験、そしてDonegalの自宅周辺の風景から着想を得ている。 『Faigh Amach』では、複数の大判ウィービングを軸とするインスタレーションの中に繊細なセラミック作品を配した。 ウィービングは、ダブリンの工業地帯で回収したテキスタイル廃材と、作家が個人的意味から収集・保存してきた布地を組み合わせて制作された。 材料選択と手法は、ケアと労働、記憶と場所、手仕事と余剰/廃棄を生み出すシステムのあいだにある関係性を可視化する。

アーティストの視点
招待に応えて、Waszakは機会の意義とスタジオに漂う切迫感の双方を強調した。 「この機会をいただけたことを大変うれしく思います。私の仕事にきわめて思慮深く、支援的に向き合ってきたJudithとCharlotteと共に働けることを心待ちにしています。キャリアの初期段階にある年長のアーティストとして、私の実践には明確な緊迫感があります。この機会は、そのエネルギーを焦点化し、射程と規模の両面でより野心的に取り組むことを可能にすることで、臨界点にある私の実践を前進させるでしょう。プロセスに関わったすべての方々に深く感謝します。」

インスティテューションの見解
TBG+S、SPG、Culture IrelandはWaszakの選出を祝し、『Faigh Amach』の他の参加者であるElla Bertilsson、Kathy Tynanの優れた仕事にも言及した。 SPGのJudith Carltonは、今回の展示をパーク内会場の春プログラムの幕開けと位置づけ、選考の背景に作品が自然、アイデンティティ、喪失、風景、物質性、コミュニティと交わす対話があると述べた。 また、強力な三者の中から一人のみを招く難しさを指摘し、決定前に各実践を丹念に検討することを可能にしたCulture IrelandとTBG+Sの支援の意義を強調した。

プログラムの位置づけ
公開公募の「一枚のスナップショット」ではなく、SPGによるスタジオ/展示訪問が、各実践をソロの文脈にどう翻訳できるかを理解する決定的契機となった。 プロセスは、対話・観察・実践と会場との適合性に重心を置いた。 WaszakにとってLake Galleryは、新作の展開と、より大きなスケールでのインスタレーション戦略を試行するための拡張されたプラットフォームとなる。

セクター支援に関する注記
Temple Bar Gallery + Studiosは、Arts Council of Irelandからの資金提供を受けていると明記している。 本協働の枠内で、同館はCulture IrelandおよびSPGとのパートナーシップを通じ、アイルランドの文脈と関わるアーティストに国際的な機会を開き、展示制作と並行する持続的なプロフェッショナル・ディベロップメントを重視している。


タイムライン(要望に応じて日付を開示)

  • 『Faigh Amach』@TBG+S:2025年8月1日–9月21日
  • SPGによる招待決定:2025年9月
  • SPG・Lake Galleryでの個展:2026年4月
  • 初の国際個展:2026年春を予定
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