Inspiration movie
Inspiration. Credit - Jean-charles Granjon

フリーダイビング世界王者が主演、神話を再構築した映像詩『INSPIRATION』

アカデミー賞・BAFTA賞選考対象映画祭にノミネートされた短編作品が「世界海洋デー」に合わせオンライン公開

フリーダイビングの詩的な映像美と神話的な物語を融合させた8分間の短編映画『INSPIRATION – The Journey of Jonah』が、オンラインで公開されます。主演はフリーダイビング世界チャンピオンのモーガン・ブルヒス氏が務めています。

この作品は、旧約聖書の「ヨナの物語」を象徴的な水中の世界を通して詩的かつ視覚的に再構築したものです。闇から光への内なる旅、そして変容を描き出しており、現代における集合的な変化とも共鳴する個人的な通過儀礼を表現しています。物語は、水中の崖にある顎の形をした岩礁に捕らえられた男性が、神秘的なクジラに導かれて海の奥深くへとシュールな旅を始めるところから展開します。

物語の中心的な役割を担うクジラは、2011年に実際に起きた座礁事故から着想を得ています。この映画においてクジラは、生きた風景であり、詩的な良心、そして再生の象徴として描かれています。監督のジャン=シャルル・グランジョン氏は、この神話を「変容の母体」と捉え、海を内なるカタルシスのための神聖な空間として描写しています。

撮影は、水深30メートルでフリーダイビングによって行われ、水中での照明は45万ルーメンという強力なものが使用されました。本作は、実際のパフォーマンス、3Dアニメーション、実験的な撮影技術を独自に組み合わせた、技術的にも特筆すべき作品です。

『INSPIRATION – The Journey of Jonah』は、世界的に権威のあるロードアイランド国際映画祭(RIFF)にノミネートされました。この映画祭は、アカデミー賞(オスカー)と英国アカデミー賞(BAFTA)の両方から短編映画の選考対象として認められている世界でわずか6つの映画祭のうちの1つであり、今回の選出は芸術的・映画的に大きな栄誉と言えます。

制作は、マルセイユを拠点とする映像制作会社Bluearth Productionが担当しました。同社は2011年の設立以来、海、映像詩、そして内なる変容の深いつながりをテーマにした作品を手がけています。水中撮影を専門とし、アート、科学、環境意識を融合させた革新的な試みを続けてきました。また、撮影に伴う二酸化炭素排出量を相殺し、利益を海洋保護のための啓発活動に再投資するなど、環境への取り組みも行っています。

『INSPIRATION – The Journey of Jonah』は、「世界海洋デー」を記念し、2025年6月8日よりBluearth Productionの各デジタルプラットフォームおよびソーシャルメディアにて、無料で一般公開される予定です。

INSPIRATION (un film de Jean-Charles Granjon avec Morgan Bourc'his)

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