『1日半』は、主演も務めるファレス・ファレス監督のスウェーデン製スリラー。別居中の妻を誘拐した男が、娘との再会を果たそうと必死になる姿を描く。
少人数の登場人物で、犯罪の向こう側にある葛藤を掘り下げるスウェーデン・スリラー。子供の親権を持つ元パートナーを誘拐した男。誘拐の明確な犯人であるアルタンには、明らかにされるのを待っている隠された裏の顔がある。
『1日半』のレビュー
低予算で、人間同士の葛藤をストレートに描いた作品。すべてが見かけ通りではなく、性急な結論は避けるべきだ。おそらく、このような状況はハッピーエンドにはつながらないので、苦痛以外の結論は見つからないだろう。
スタイルや技術的な巧みさで感動させることはできないかもしれないが、脚本の構成は巧みに葛藤を導入し、発展させている。監督自身が主人公の一人である警察官を演じており、映画の信憑性を高めている。
よく練られた内的緊張感に満ちた『1日半』は、追跡劇や突然の展開、特殊効果に頼るものではない。アレクセイ・マンベロフが推定犯として重責を担い、観客の心に響く信じられる演技を披露している。
アルマ・ペイスティは、より困難で冷徹な役柄に直面しているが、巧みにこなし、二面性を持つキャラクターを説得力ある方法で表現している。
『1日半』は終始テンポよく進むが、ハリウッドの慣例に従うのではなく、ヨーロッパ風のスリラーを目指している。目先の効用や目的を超えたキャラクターを探求している。
私たちの意見
必要なリソースが不足しているため派手なスペクタクルを避け、長所を活かす術を心得ている堅実なスリラー。独自のスタイルでよくできているが、際立った印象や心に残るインパクトはない。
発売日
2023年9月1日
どこで見るか
映画予告編
キャスト
Annika Hallin
Daniel Guldstrand
Annica Liljeblad
Richard Forsgren
Bella Klaus