ブレイク・ライブリーと ジャスティン・バルドーニ主演、ジャスティン・バルドーニ監督のドラマ映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』。 脚本はクリスティ・ホール。 原作はコリーン・フーバー。
社会的なテーゼを構築し、その中心テーマに合わせて物語全体と登場人物を成形しようとする映画にはお馴染みだろう?『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』はまさにそのような映画のひとつで、陳腐な表現がふんだんに盛り込まれ、よりシリアスで超越的なものになろうと遅まきながらもがき苦しんでいる。ブレイク・ライブリーのような才能ある女優が魅力的なキャラクターを作り上げ、見事な演技を披露しているにもかかわらず、彼女は結局、稚拙な脚本に邪魔されている。この脚本は、映画的な雰囲気を醸成することよりも、男性の暴力という痛ましい問題を強調することに重点を置いているように思える。
映画について
『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』は、多くの女性が耐えている恐ろしい暴力にスポットライトを当て、それを告発するという核となるアイデアに基づいた、称賛に値する製作価値と強力なキャストを誇っている。しかし、このような映画は、過剰な脚色や誇張、大雑把な一般論に陥る危険性が高く、その結果、主要な登場人物を脇役に追いやり、包括的なメッセージの単なる伝達役にしてしまう。
残念ながら、『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』はこうした落とし穴にすべて陥っている。メロドラマに溺れ、ドラマチックな音楽に頼り、映画的な深みよりも感情的なインパクトを優先し、主人公を深く掘り下げることができず、代わりに大雑把な一般論に落ち着いている。演技や演出やテンポよりも、脚本と中心的なアイデアの方が失速している。
しかし、涙を流し、感情移入しやすいドラマを求めるのであれば、『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』はその目的にかなうかもしれない。ほとんどテレビのような映画で、その高尚な野心には及ばず、結局のところ映画的な観点からは納得させることができない。それでも、感情を揺さぶられるような体験を求める人には、つかの間のカタルシスを与えてくれるかもしれない。