アドバンテック、Snapdragon X Elite搭載の次世代エッジAIソリューションを発表 産業用PCに性能と電力効率の革命

Advantech Solution Powered by Qualcomm Snapdragon X Elite & X Plus
Advantech Solution Powered by Qualcomm Snapdragon X Elite & X Plus

産業用コンピューティングのグローバルリーダーであるアドバンテックは、Qualcommの最新プラットフォーム「Snapdragon® X Elite」を搭載した、一連の革新的なエッジAIコンピューティングソリューションを発表した。これにより、現代の産業用アプリケーションが求める卓越した処理能力、強力なAIアクセラレーション、そして次世代の高速通信規格である5GおよびWi-Fi 7への対応が、一つの産業用PCで実現される。

x86を凌駕する性能と電力効率

今回発表されたソリューション群の心臓部には、最大3.4GHzで動作する高性能なQualcomm Oryon™ CPUを採用したSnapdragon X Elite(12コア)およびSnapdragon® X Plus(10コア)が搭載されている。これにより、高速なデータ処理とシームレスなマルチタスクが可能になるだけでなく、従来のx86ベースのソリューションと比較して、一般的なタスクにおける消費電力を平均で28%も削減することに成功した。

AI機能の強化も著しい。最大45TOPS(1秒間に45兆回の演算)の性能を誇るQualcomm® Hexagon™ NPUが統合されており、要求の厳しいエッジAIアプリケーションにも余裕をもって対応する。

メモリとストレージの飛躍的進化

新製品は、標準的なLPDDR5メモリと比較して速度を1.3倍に向上させつつ、消費電力を20%削減したLPDDR5Xメモリを搭載。ストレージにはUFS 3.1 Gear 4が統合され、データ転送速度が劇的に向上した。さらに、過酷な産業環境での使用を想定し、より高い耐久性と耐衝撃性を備えたUFS 4.0ストレージソリューションもオプションとして提供される。

途切れない超高速通信と高度なマルチメディア機能

接続性においては、統合されたWi-Fi 7と5G技術が次世代レベルの体験を提供する。これにより、超高速・低遅延のネットワーク性能が保証され、要求の厳しい産業環境でも途切れることのないデータストリーミングとリアルタイム通信が可能になる。データ集約型のAIアプリケーションや、堅牢性が求められるリモート操作を強力にサポートする。

マルチメディア機能も充実しており、統合されたSnapdragon Adreno VPUは4K60pのH.264ビデオエンコード/デコードをサポート。Adreno GPUは、マシンビジョンなど視覚中心のタスクで優れたグラフィックス性能を発揮する。

具体的な製品ラインナップ

今回発表されたのは、以下の3つの主要製品である。

  • AOM-6731(AIモジュール)
  • AIMB-293(Mini-ITXマザーボード)
  • SOM-6820(COM Express Type 6モジュール)

これらの製品は、企業がエッジAIの可能性を最大限に引き出すための、俊敏で未来志向のインフラ構築を可能にする。なお、各製品の技術評価用サンプルの提供は2025年3月から開始される予定だ。

(台北 2025年7月7日発表)

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