「スペースマン」は、アダム・サンドラー主演のSF映画。共演はキャリー・マリガン、クナール・ネイヤー、ポール・ダノ、レナ・オリン、イザベラ・ロッセリーニ。脚本はコルビー・デイ、原作はヤロスラフ・カルファル。監督はヨハン・レンク。
コメディタッチのアダム・サンドラー、私たちが知っているアダム・サンドラーのファンには、この映画は向かない。コメディでもなければ、このアメリカ人俳優に名声をもたらしたおなじみのキャラクターがわかるはずもない。
この映画では、6ヶ月の隔離の後、宇宙で発狂し、クモを見るようになった男が登場する。彼の幻視はますます圧倒的なものとなり、内省、宇宙、無が、自らを省み始める意識を支配していく。
映画について
アダム・サンドラー主演の映画というのは、彼の個性、作品における存在感、脚本……すべてが影を落とすものだ。この場合もそれは同じだが、まったく違った意味で。
ヨハン・レンク(『チェルノブイリ』シリーズの監督)という本格的な監督、親密なストーリー、そしてもう一人の偉大な主人公、宇宙とその深く力強い広大さである。
「スペースマン」は、意識の孤独、錯乱を通してその広大さに直面し、唯一の拠り所である妻への信頼にしがみつこうとする男の物語である。
「スペースマン」は一般の観客を満足させるだろうか?喜ぶか喜ばないかはどうでもよく、その意図は宇宙や人間の理性の探求にまで及んでいる。それは達成されているのだろうか?というのも、その最初の意図からすると、結果は宇宙的でも超越的でもないように思えるからだ。
サンドラーのドラマティックな演技はまた素晴らしいものだが、彼の顔にはこれまで演じてきたコメディのキャラクターが重くのしかかっている。エンディングも美しく、効果的である。しかし、この映画もまた予測可能であり、私たちを驚かせることはできなかった。
私たちの意見
何も新しいことを語らず、映画的なレベルでもこれまでに見たことのないものを発信することなく終わってしまった宇宙映画のひとつ。そのために作られた映画ではないので、一般大衆を魅了することはないだろうが、俳優としてのアダム・サンドラーの違った一面を見せてくれる。