「バビロン」(2022年)映画レビュー:純粋な野心

マーティン・シド(Martin Cid)
バビロン

「バビロン」は、「ファースト・マン」のデイミアン・チャゼル監督の最新作。主演はなんとマーゴット・ロビーとブラッド・ピット。この2人のスターが共演するのは『ワンス・アポン・ア・タイム..inハリウッド』(2019年)以来となる。

「バビロン」は、興行的には失敗したものの、別の時代の映画館で、あの象を使った壮大なセットを作り上げた「イントレランス」(1915年)の精神と、不可能で、当惑させるような、野心的で、ほとんど狂気的な夢を響かせる作品だ。

映画について

「バビロン」は、壮大な演出によってこの精神を捉えているが、しかし、より満足した観客を納得させることはできなかった。初期のハリウッドに存在した混沌、音響の出現、過剰さ、混乱、そして不可能な夢から覚めないための苦闘、近代映画の生みの親であるデヴィッド・ワーク・グリフィスも求めた失われたバビロンの再構築を試みる映画。

Babylon pelicula
バビロン

スターたち(マーゴット・ロビーとブラッド・ピットはもちろんのこと)が出演するこの映画では、スターたち以上に、この残酷で豪華な作品の設計者である監督と脚本家の手が、すべてのフレームに見られる。.

これは選択の問題である。なぜなら、この映画の目的は、奇跡的に物事がほとんど奇跡的にうまくいくシステムの中で、混沌とした生活を描くことにあるのだから。

映画ファンにとってはノスタルジックな映画であり、家族向けで心地よい映画が好きな人にとっては過剰なまでにバーレスクな映画である。
初期のハリウッドに収斂する過剰なドラッグ、アルコール、贅沢な登場人物たちは、おそらく最も驚異的な、あるいは単なる神話的構築物であり、時が経つにつれて、自らのバーレスク神話を現実へと変えていく。

Babylon pelicula
バビロン

「バビロン」は何よりも過剰であり、過剰への愛である。

ある意味、予算とは裏腹に、政治的に正しい思想の時代に “共鳴 “させるために作られたのではない、別の時代の映画なのだから。

私たちの意見

技術的な面でも、その実質的な形式において首尾一貫している点でも素晴らしい。そしてそれは、秩序や整然さ、正しさを愛する人々を苛立たせる。偽りの「正しい」時代に生まれた正しくない映画。ある意味、耐えるために作られた。夢であり、神話としてだけ残っているハリウッドへの最高の映画からのオマージュ。

Babylon pelicula
バビロン

発売日

23 2022年12月

映画監督

Damien Chazelle

デイミアン・チャゼルはアメリカの映画監督、脚本家。ミュージカル『Guy and Madeline on a Park Bench』(2009)で監督デビューを果たすが、2013年に受賞した同名の短編映画を原作に、長編2作目となる『Whiplash』(2014)で脚本・監督を務め、ブレイク。同作はチャゼル監督の作品賞と脚色賞を含むアカデミー賞5部門にノミネートされた。

キャスト

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