映画

『Sister Death』――ナルシサの恐怖があぶり出す、戦争の傷跡

Martin Cid
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Sister Deathで黒板にナルシサの名前が走り書きされた瞬間、張り詰めた緊張が静電気のように弾ける。ありがちなジャンプスケアの前振りではない。パコ・プラサ(Paco Plaza)が手がけたVerónicaの前日譚が、じわじわと謎を深める展開から、はるかに不穏な方向へと舵を切る、その決定的な瞬間だ。チョークが黒板を引っかく音、少女たちが一斉に息をのむ気配、そして授業の途中で凍りつくナルシサを演じるアリア・ベドマール(Aria Bedmar)の顔に浮かぶ、恐怖の予兆。超自然ホラーに親しんだ観客には見覚えのある場面のはずだが、プラサはそこから新鮮なものを引き出している。ナルシサの反応は恐怖ではなく、何かを認識したことによるものなのだ。

これまでの作品、とりわけVerónicaで、歴史的トラウマとジャンル映画の定石を巧みに織り合わせてきたプラサは、本作でも修道院から学校へと姿を変えた場所の薄暗い隅々に、スペイン内戦の傷跡を忍ばせる。舞台は戦争終結から10年後だが、暴力の記憶は壁に染みついた汚れのように消えない。美術面もその感覚を後押ししている。ミッドセンチュリー映画への意図的な目配せである1.33対1の画面比率は、単なるスタイル上の選択ではなく、物語を語るための仕掛けでもある。四角く切り取られた画面は檻のように感じられ、信仰と恐怖が切り離せない世界、過去が埋葬されたままではいてくれない世界にナルシサを閉じ込める。

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本作の核を担うのはベドマールの演技で、物語の歩みがゆるやかになる場面でも映画を支えている。彼女のナルシサは、修道院の厳格な序列に戸惑う、世間知らずの見習い修道女として登場する。だが真価を発揮するのは、むしろ静かな場面だ。告解のシーンでは、揺れる声に表れているのは恐怖ではなく、信念が崩れていく重み。メロドラマに頼ることなくナルシサの信仰の危機を表現する、ベドマールの力量は見事だ。

脇を固める俳優陣も健闘しているが、プラサの演出が少々押しつけがましく感じられる場面では、力を発揮しきれない人もいる。たとえば、マル・バルディビエルソ(Maru Valdivielso)が演じるフリア修道女は、人物像を掘り下げるよりも物語上の役割を果たすことに重きが置かれたような人物造形を背負わされている。ナルシサに懐疑的な態度から、あからさまな敵意へと変わる過程にも機微が乏しい。一方、ルイサ・メレラス(Luisa Merelas)の院長は、ぞっとするほどの、ほとんど狂信的ともいえる敬虔さを役に吹き込み、より印象的だ。だが、ひときわ目を引くのは、ナルシサの不本意な味方となる悩める生徒ローサを演じるサラ・ロチ(Sara Roch)。生々しく飾り気のない演技が、超自然的な要素に確かな人間の感情を宿らせている。

Sister Deathがつまずくのは、テンポの面だ。第一幕は修道院の日常――授業や祈り、修道女たちのささいな言い争い――に時間をかけすぎている。ベドマールの人を惹きつける存在感をもってしても、物語がなかなか動き出さないという印象を完全には拭えない。ようやく超自然的な現象が現れても、その内容は見慣れたものだ。椅子が倒れる、何もないところに名前が浮かび上がる、絞首刑の絵がひとりでに完成する。こうした常套手段は、The Othersや、プラサ自身のVerónicaをはじめ、すでに多くの映画で、しかも本作以上にうまく使われてきた。

だが、物語がついに過去へと踏み込むと、修道女ソコロのレイプ、隠された子ども、そして悲劇へと連鎖する隠蔽が、容赦ない衝撃をもたらす。日食とねじれた復讐の行為に結びつく真相が明かされるところで、Sister Deathは再び足場を取り戻す。ナルシサが霊の目を通して戦時下の残虐行為を目撃する場面は、肌に迫るような生々しさだ。プラサのホラーがしばしば超自然現象よりも歴史の中にこそ潜んでいることを、あらためて突きつける。

とはいえ、ここでも演出にはわずかなほころびがある。日食の場面は、空が不自然に暗くなり、少女たちの顔が不気味な光に照らされるなど、映像としては目を引くものの、実質より象徴性に頼りすぎている。ナルシサと復讐に燃える霊との対決を描くクライマックスも見応えはあるが、最初の二幕が慎重に進んだぶん、駆け足に感じられる。

Verónicaとの比較は避けられないが、Sister Deathは前作に及ばない。Verónicaが超自然的な恐怖と生々しい感情の切迫感を両立させていたのに対し、本作は前作の設定に頼りすぎる一方で、前日譚として描かれる必然性を十分に示せていない。日食の最中にナルシサが変貌することや、チョークで書かれた名前が繰り返し登場することなど、前作とのつながりは物語に自然に組み込まれているというより、ファン向けのサービスに映る。

とはいえ、Sister Deathにも見るべきところはある。信仰やトラウマ、女性が自らの意思を貫くことを描く本作は、今の時代にふさわしく、考えさせられる。ナルシサが霊と対峙し、(ネタバレになるが)復讐を鎮める奇跡を起こす終盤には、暗闇の中にかすかな希望が差し込む。そこに至る道のりにはむらがあるものの、結末には積み重ねの末に得られた手応えがある。

結局のところ、Sister Deathは、じわじわと謎を深めるミステリーと、真正面から恐怖を突きつけるホラーのあいだで揺れる映画だ。どちらにも踏み切れず、前作の影をなぞる作品にとどまっている。

キャスト

写真:The Movie Database (TMDB)

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