サッチ・ギャラリーは、2025年のRHSチェルシー・フラワー・ショーに出展する庭園を発表しました。この庭園は、マルチ・ディシプリナリー・アーティストのダーシー・フレミング氏と、庭園デザイナーのナオミ・フェレット=コーエン氏とのコラボレーションによるものです。
庭園のタイトルは「Three Coverings」。フレミング氏による、イギリスの田園地帯を彷彿とさせる空間に、巨大で抽象的な彫刻作品が配置されます。これらの鮮やかな色の彫刻は、フレミング氏がオックスフォードシャーとバークシャーの地元農家から提供された、廃棄されたベール紐から作られています。
フレミング氏は、独自の「構築」プロセスを用いてこれらの彫刻を制作します。紐を伸ばしたり、ほどいたりする作業を繰り返すことで、大量の素材を生み出すのです。彼女は、自身の制作活動を「絶え間なく作り続け、時間を埋めるための欲求」と表現しています。その結果として生まれる作品は、視覚的にも感覚的にも、見る者を強く惹きつけます。
「Three Coverings」には、没入感のある壁掛け、椅子の彫刻、そして大きな織物の彫刻がかけられた円錐形の独立した構造物が含まれます。庭園内には曲がりくねった砂利道が設けられ、メインとなる彫刻は、土地と結びついた伝統的な祭典をゆるやかに連想させます。人々がストーンヘンジやメイポールに集まったように、フレミング氏の彫刻は、人々を惹きつける喜びと活気に満ちた磁力を持っているようです。フレミング氏の作品の根底には常に、過去、現在、未来の出会いというテーマがあります。
フレミング氏の制作活動における重要なテーマは「つながり」です。彼女は自身の作品を、人々が楽しめる「会話の道具」であると説明しています。
庭園デザイナーのナオミ・フェレット=コーエン氏は、フレミング氏の彫刻が置かれる環境を作り出すために、密接に協力してきました。フレミング氏にとって、作品の素材となるもののオーガニックな性質と、無駄のない調達方法が重要です。素材はすべてイギリス国内で調達され、自然に存在するものでなければなりません。そのため、庭園には野生の花や柔らかい草が生い茂り、ハシバミの木の柵とツタが庭園を囲んでいます。
フレミング氏が用いる素材の色、質感、そしてボリュームの豊かさに呼応するように、庭園には植物が繰り返し配置されています。二面性というテーマも重要な役割を果たしています。例えば、デジタルス・プルプレア(一般的なフォックスグローブ)は、フレミング氏の作品の材料であるリサイクルのプラスチック廃棄物と同様に、美しいですが有毒です。ラミウム・オルバラ(オドリコソウ)は、濃く尖った葉とピンクがかった紫色の花の穂をつけます。ここでは、その毒性で悪名高いイラクサを表すために使用されており、一部の民間伝承では、悪を追い払うための保護を提供することで知られています。これらすべてが、有毒なものを予期せぬ「遊び心のある」ものに変える、フレミング氏の作品の力を示しています。
この庭園はHSBC UKの支援を受けています。サッチ・ギャラリーがRHSチェルシー・フラワー・ショーに参加するのは今年で5年目となります。このショーは、ギャラリーの夏のプログラムの重要な一部であり、新進気鋭のアーティストに、さまざまな素材や形式を探求しながら、新たな観客にアプローチする機会を提供します。花は、ギャラリーの創立40周年を記念する主要な展覧会「FLOWERS – Flora in Contemporary Art & Culture」でも重要な役割を果たしており、美術、写真、彫刻から、ファッション、映画、音楽、科学まで、植物にインスパイアされた500点以上の作品やインスタレーションが展示されています。
RHSチェルシー・フラワー・ショーは、5月20日から24日まで開催されます。