Netflixは、スペイン系オランダ人の女優、司会者、そして起業家であるヨランテ・カバウの人生に迫る7話構成のシリーズ『ヨランテ』の配信を開始しました。Netflix初のオランダ制作リアリティ番組となる本作は、オランダで最も注目を集める著名人の一人である彼女が、息子ゼス・ザヴァと共にロサンゼルスへ移住する姿を追います。母国で世間の厳しい目にさらされた激動の時期を経て、カバウはこのシリーズを自身の言葉で物語を語る機会と位置づけています。オランダの制作会社NewBeが手がけるこの番組は、彼女が過去の複雑な問題と向き合いながら、新たな人生を築こうとする試みを記録しています。
ロサンゼルスでの賭け
このシリーズは、カバウが新たな章の舞台として期待を寄せる街、ロサンゼルスへの野心的な移住を記録したものです。視聴者は、元サッカー選手のヴェスレイ・スナイデルとの間に生まれた息子を育てるシングルマザーとしての奮闘、大規模な家のリフォーム、そして女優としてのキャリア追求を両立させようとする彼女の姿を目にします。カバウは、オランダのテレビや映画での豊富なキャリアに加え、マイケル・ベイ監督の映画『ペイン&ゲイン』への出演など、国際的な実績も持つ実力派です。本作では、この移住がオランダでの注目から意識的に距離を置き、自分自身のやり方で公私にわたる人生を再定義しようとする試みとして描かれています。

未解決の過去、不確かな未来
『ヨランテ』の中心的なテーマは、過去から逃れられないという現実です。シリーズは、彼女の現在を形作り続ける複雑な家族関係や古い傷に深く切り込みます。亡き父であり、かつてイビサ島で名を馳せた実業家ザビエル・カバウが財政破綻と薬物依存に陥った後の、家庭内暴力に彩られた困難な幼少期にも触れられています。劇中でカバウは父を「多くの痛みをもたらした人」と語ります。物語は、母親に腫瘍が見つかったという悪い知らせを電話で受け取ったことで予期せぬ展開を迎えます。過去が未解決のまま未来を築こうと奮闘するカバウの強さが試される危機となります。
脚光の裏で:起業家として、そして活動家として
『ヨランテ』は、女優業以外の活動にも光を当て、彼女の多面的な人物像を提示しようと試みています。シリーズでは、2021年に立ち上げたウェルネスブランド「Cabau Lifestyle」の創設者としての彼女の役割が紹介されます。サプリメントやプロテイン製品、スポーツウェアなどを提供する同社は、「より強く、より健康で、より自信を持てる」女性を支援することを使命としています。また、世界中の児童の性的搾取との闘いに尽力する財団「Free a Girl」の共同設立者兼アンバサダーとしての彼女の献身的な活動も描かれています。この財団は、被害者の救出、加害者に対する法的正義の追及、そして被害者を弁護士や警察官、ソーシャルワーカーといった職業に就かせるための「School for Justice」プログラムを通じて、若い女性たちの自立を支援しています。
このシリーズは、公的な人生と私的な葛藤、そして新たな始まりの追求の間で揺れ動く一人の女性の、転機となる重要な一年を記録したものです。
全7話のシリーズ『ヨランテ』は、2025年6月18日にNetflixで配信が開始されました。