サイエンス

物理学者が乱流の中でエネルギーが流れる向きを逆転させ、80年来の常識を曲げた

Peter Finch

渦巻く薄い水の層の中で、物理学者たちはエネルギーを逆向きに流した。次第に小さくなる渦へと滝のように下るのでも、次第に大きくなる渦へと昇るのでもなく、流れは研究者が選んだとおりに振る舞った。それを掻き混ぜる力をどう配置するかしだいだった。この結果は、八十年あまり流体物理を形づくってきた前提に挑むものだ。

八十年あまり、乱流の定説は一方通行のカスケードだった。川や外洋の三次元の流れでは、エネルギーは大きな渦から小さな渦へと着実に下り、そこでついに熱として散ると考えられてきた。薄い、ほぼ二次元の層では、このカスケードは逆転し、小さな渦が大きな渦を養うとされた。いずれにせよ向きは、流体が宿る空間の幾何学によって定められているように見えた。

新しい研究は、その向きを流れの次元から切り離す。向きを決めるのは、流体の各点における二つの量の整列ぐあいだと研究者は突き止めた。流体を押しつぶす応力と、それに応じて生じる変形である。力と変位のなす角を調えれば、エネルギーはスケールの梯子を上へも下へも押しやれる。容器の形は、もはや宿命ではなくなる。

それを示すため、チームは電気を通す液体の浅い層を磁気の力で駆動し、追跡用の粒子をまき、その動きを撮影した。駆動の模様を作り替えることで、同じ装置の中に順方向のエネルギー移動を示す流れと、逆方向の移動を示す流れの双方を生み出した。同じ仕掛けのコンピューター・シミュレーションもこの切り替えを再現した。驚くべき映像を測定へと変えるのは、こうした一致である。

カスケードを操ることには現実的な射程がある。流体の中でエネルギーが流れる向きは、その中で物事がどう広がるかを支配する。だからそれを導けるなら、海岸が排水のプルームをどう拡散させるか、マイクロ流体チップが医療検査のためにごく微量をどう混ぜ合わせるか、あるいは気候モデルが捉えようとする層状の流れの中をエネルギーがどう動くかを、変えられるかもしれない。

この実証は、嵐や深海の流れの入り組んだ三次元乱流ではなく、注意深く制御された、本質的に二次元の系の中に生きている。向きへの同じ掌握が、完全な三次元の高エネルギーの流れでも保たれるかは未解決の問いであり、実験室のトレーから海洋への跳躍は大きい。原理はいま確立した。その射程はまだだ。

この研究はピッツバーグ大学が主導するチームが、トリノ大学と協力して行い、学術誌サイエンス・アドバンシズに発表された。グループの次の一歩は、流れが厚く、よりエネルギーを帯びていくにつれて、テンソルの整列による制御がどこまで及ぶかを試すことだ。現実の乱流の大半が実際に宿るのは、まさにその領域である。

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