音楽

harmoeの5周年アルバムにHomecomingsといよわが初楽曲提供

Alice Lange

声優ユニットharmoe(岩田陽葵と小泉萌香)が本日、3枚目のスタジオアルバム『twice upon a time』をリリースした。童話をコンセプトに据えた全10曲の本作は、クリエイティブチームの顔ぶれがこれまでの路線とは一線を画す。作詞・作曲クレジットには、声優ポップではめったに見かけない名前が並ぶ。京都発のインディーロックバンド・ホームカミングス、そしてアニメ界を超えてファンを獲得してきたボカロP・伊予(Iyowa)だ。

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ホームカミングスが手がけた楽曲は、アルバムの最も明確な主張となっている。彼らの提供曲「Tilt」はアルバムのリードトラックであり、現在日本で放送中のテレビアニメのエンディングテーマとしても起用。このタイアップにより、楽曲はharmoeの既存ファン層を超えた幅広いオーディエンスに届くことになった。一方、伊予とプロデューサーのyuigotが手がけた楽曲は、テクスチャー豊かなエレクトロニックな領域に踏み込んでいる。近年、ボカロコミュニティとJ-Popのメインストリームを行き来しながら、声優業界をはるかに超えたリスナーにリーチしてきた作風だ。

harmoeはポニーキャニオンからデビューし、アニメ制作と並行してJ-Popアイドルインフラを活用しながらキャリアを築いてきた声優ユニットのひとつだ。岩田陽葵と小泉萌香は、ユニット結成前にそれぞれ声優として個人で確固たる地位を築いていた。harmoeは、スクリーンの世界に片足を残しながら、音楽面での活動領域を広げる手段として誕生した。デビュー作と2ndアルバム『radii』の2作品で、このエコシステム内での安定した存在感を示してきた。『twice upon a time』が異彩を放つのは、声優ポップのネットワークに深く根ざしたプロデューサーではなく、構造的に異なるシーン出身の作家たちに、重要な創作の場を委ねた点にある。

アルバム全体を貫くコンセプトは、『不思議の国のアリス』に登場する白ウサギだ。これはharmoeの初期リリースから続くビジュアル的かつ物語的なリファレンスである。アニバーサリーという節目の作品であることが、クリエイティブな選択に一貫した論理を与えている。デュオの歩みを振り返る全10曲の構成は、ソングライター陣の顔ぶれによって、より広がりのある方向性を示唆する。早川博隆、岡島かなた、Bonjour Suzukiらが名を連ねる作詞・作曲陣は、インディーポップからエレクトロニックプロダクションまでをカバーし、このユニットのキャリアステージとしては異例の幅広いサウンドスケープを実現している。限定版にはBlu-rayと、3枚のアルバムを追いかけてきたファンのための68ページにわたるアニバーサリーメモリアルブックが同梱される。

クリエイティブチームの野心と、ユニットの実際のリーチとの間には、現実的な隔たりがある。Last.fmにおけるharmoeのグローバルリスナー数は数百人単位で、日本国外では熱心ながらも小規模なファン層にとどまっている。欧州や北米でのコンサート日程は確定しておらず、リリース時点でのSpotifyへの配信もなく、フィジカル盤は日本のアニメ小売インフラを通じて流通している。ホームカミングスや伊予の参加は、隣接するオーディエンスからの信頼性をもたらすが、商業チャンネルは依然として、このアルバムを生み出したエコシステムの内部にとどまっている。

『twice upon a time』は現在、通常盤、限定盤、完全生産限定盤の3形態で発売中。次なるステップは、このアルバムの創造的な野心が、想定されたファン層を超えたリスナーに届くかどうかにかかっている。

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