音楽

ゼノサーガ IIは賛否両論だったが、梶浦由記の40曲は別の評決を出している

梶浦由記が手がけた40曲のオーケストラルスコア
Alice Lange

梶浦由記の『Xenosaga II MOVIE SCENE SOUNDTRACK』は、40曲のオーケストラルスコアからなるアルバムだ。ゲームを知らない耳で聴いても、各トラックが独自のナラティブ密度を持っていることがわかる。

梶浦由記は、『.hack//SIGN』や『ソードアート・オンライン』などを手がけた日本の作曲家で、映像と音楽の境界を精密に操る作風で知られている。ゼノサーガ IIのサウンドトラックにおいても、RPGの劇伴という枠を超え、映像作品のスコアに近い構成を採用した。弦楽と合唱の層を重ねる手法は、プレイヤーが操作できない映画的場面のために設計されており、それが今回のアルバムに独立した一貫性を与えている。

ゲームとしての『ゼノサーガ II』は、シリーズを通じて最も評価が分かれる作品だ。前作から戦闘システムが大幅に変更され、プレイアビリティの低下を指摘する批評が相次いだ。しかし梶浦のスコアについては、ほぼ一致して「ゲームの中で最も完成した要素」という評価が定着している。この非対称性が、今回の単独リリースに一つの問いを与える。音楽は、それを生んだゲームの評判を背負わずに立てるか。

Spotifyへの収録はなく、ストリーミング主流の時代においてリーチは限定的だ。Last.fmへの登録リスナー数は約620人にとどまる。これはサウンドトラックというジャンルの構造的限界でもあるが、梶浦由記という名前の認知度を考えると、より広いプラットフォームへの展開が音楽的遺産の可視化につながると見るのは自然だろう。

梶浦由記はゼノサーガ IIにとどまらず、シリーズ全体にわたってスコアを手がけており、ゲーム音楽の作曲家として一貫したアイデンティティを持つ稀有な例だ。今回の公式リリースにより、40曲のトラックがMusicBrainzに正式に登録され、音楽データベース上でシリーズの全容が整理されることになった。

『Xenosaga II MOVIE SCENE SOUNDTRACK』は2026年5月27日にリリースされた。シリーズの他の作品が追って公式に配信される可能性については、現時点では確認できていない。

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