テクノロジー

マーク・ザッカーバーグ、Muse Charmを披露「この小さなやつに多くの技術を詰め込んだ」

マーク・ザッカーバーグはMetaのMuse Charmをペットのように紹介した。キーホルダーはMetaのクラウドに住むAIエージェントへの入り口であり、Metaはその買い物から収益を得ようとしている。
Adrian Kessler
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マーク・ザッカーバーグは、自社アプリと人々をつなぐデバイスを自らのものにしようと、長年取り組んできた。その最新の試みは、キーチェーンに収まるサイズだ。Meta Connectの基調講演を締めくくる場面で、Metaの最高経営責任者は、アニメ風の顔が描かれた手のひらサイズの画面を掲げた。「Muse Charm」と名付けられたこのデバイスを、まるでペットを紹介するように披露した。

「この小さな相棒に、たくさんのテクノロジーを詰め込みました」と、ザッカーバーグはステージ上で語った。「ですから、メガネをかけていない方にとっては、Museに話しかけ、周囲で何が起きているかを見せる、圧倒的に速い方法になるでしょう」

この言葉が飛び出したのは、9月23日の基調講演の最後だった。The Vergeはこれを、同メディアが「AIたまごっち」の到来と呼ぶ動きを紹介する記事の冒頭に据えた。基調講演の概要をまとめたAOLによると、ザッカーバーグがキーチェーンにたとえたこのデバイスには、小型ディスプレイ、スピーカーとマイク、指紋センサー、5G通信機能が、AirPodsのケースほどの本体に収められている。センサーに触れて話しかければ、スマートフォンのロックを解除することなく、Metaの新しいパーソナルAIエージェント「Muse」を使える。画面に表示されるのはエージェントのアバターで、Meta社内では「Jolly」と呼ばれている。

テクノロジーの大半は、別の場所にある

「たくさんのテクノロジー」という説明は間違ってはいない。だが、その居場所を示す言葉としては的外れだ。Meta自身の説明によれば、MuseはMuse Secure VM上で動作する。これは「クラウド上に設けられた専用のコンピューター」で、エージェントに加え、ユーザーが接続するあらゆるサービスのデータや認証情報を保管する。一方、Museがインターネットに送信する内容は、別のSentinelエージェントが承認しなければならない。Charmが担うのは、耳と顔、そして通信機能だ。推論や記憶、アクセス許可は、Metaのクラウドにあるマシンに置かれている。Metaは今年後半に、Muse Confidential VMを提供する予定だと約束している。ユーザーだけが持つ鍵で暗号化され、「Metaでさえアクセスできない」という。つまり、その機能が提供されるまでは、現状はそうではないということでもある。

つまり、この小さな相棒は入り口だ。かわいらしさも備えている。そして、そのかわいらしさには確かな役割がある。

「小さな相棒」が戦略である理由

The Vergeはこの計画を率直に読み解く。FriendやHumane AI Pinが主に不満や反発を招いたのを受け、MetaとOpenAIはまずエージェントを目立たない形で投入し、人々に愛着を持ってもらってから、その身体となるデバイスを売ろうとしている。ペットが得る信頼は、道具が実績によって勝ち取らなければならないものとは異なる。エージェントの場合、信頼はアクセス許可へとつながる。

その仕組みには、すでにほころびが見えている。テック系YouTuberのマット・ロブ(Matt Robb)はThe Vergeに、Museが「常に許可」をタップした後、自宅の住所をFacebook Marketplaceの購入希望者に渡してしまったと語った。ロブは、オファーに対応する前にはエージェントが確認を求めてくると思っていたが、実際にはそうならなかった。同じ時期、Metaはローカルの攻撃者がエージェントを乗っ取れた可能性のあるゼロデイ脆弱性に修正を適用。またAmazonは、顧客の認証情報を取得する恐れがあるとして、Museを自社の小売プラットフォームから締め出した。

ビジネスモデルを考えれば、懸念はさらに大きくなる。CNBCによると、ザッカーバーグは「いずれは取引から少額の手数料を得ることで利益を上げられる」と見込んでいるという。購入額の一部を受け取るエージェントにとって、思いついてから購入するまでの時間を少しでも縮められれば、そのたびに利益につながる。「Museに話しかける圧倒的に速い方法」は、利便性を訴える売り文句であると同時に、購入手続きへと誘う言葉でもある。

デバイスを追い求め続ける創業者

この言葉に込められた誇りは本物だ。そして、その背後にある実績もまた確かなものだ。CNBCが伝えるように、ザッカーバーグは5年前に社名をMetaへ変更したものの、仮想現実の大きな市場を切り開くには至らなかった。一方、Ray-Banのスマートグラスははるかにうまくいっている。どのハードウェア戦略にも共通するのは、自社のユーザーにリーチするうえでAppleに依存する状況を終わらせるという目標だ。投資家はMuseにも同じ期待を寄せ、エージェントの発表以来、株価は25%以上上昇している。

ただ、デバイスの完成度は、あの言葉から受ける印象ほど高くない。ザッカーバーグによると、Metaは仕上げの素材と部品の配置をまだ決める必要があり、ホリデーシーズンに向けて出荷できる状態にしたいという。価格は発表されていない。eコマース企業Wayviaの最高経営責任者、アンソニー・フェリーはCNBCに、このカテゴリーのガジェットがいまだ答えを出せていない問いを投げかけた。「なぜ、もう一台デバイスを持ち歩かなければならないのでしょうか?」

Metaの答えは、持ち歩くのはデバイスではない、というものだ。友だちを連れて歩くのだ。キーチェーンに付けるチャームが意図的にかわいらしくデザインされているのは、隣にぶら下がる鍵こそが狙いだからだ。

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