テクノロジー

Windows 11、最大20%の応答性向上へ Microsoftが8GB PC向けにメモリ改善策

Adrian Kessler
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Windows 11では、作業中のデータを動作の遅いストレージドライブへ追い出さず、メモリ上に最大2GB多く保持できるようになったとMicrosoftは説明している。また、RAMが8GB以下のPCでは、パネルを開くまでWidgetsを読み込まない仕組みに変わり、200MBを超えるメモリをアプリに振り向けられる。Microsoftによれば、Start、Search、File Explorer、Settings、Snipping Tool、右クリックメニューの応答性は全体で最大20%向上するという。ブラウザーのタブを十数個開くと動作がもたつく手頃な価格のノートPCを使っている人にとって、まさに悩みの核心に手を入れる改善だ。

RAMがいっぱいになると、Windowsは使用頻度の低いデータをSSDへ移す。これはページングと呼ばれる処理で、該当するタブや文書に戻るとデータを再び読み込む。高速なSSDでもRAMよりはるかに遅いため、ウィンドウを切り替える際に一瞬固まることがある。8GBのPCなら、2GBは搭載メモリ全体の4分の1にあたる。MicrosoftでWindowsエクスペリエンス担当コーポレートバイスプレジデントを務めるナヴジョット・ヴァーク(Navjot Virk)は、この取り組みについて「メモリ8GBのPCでは、特に大きな違いを実感できる可能性がある」と記している。

Microsoftはすでに、この問題を認めていた。Windows Latestが引用した同社の過去の数値によると、Windows 11を搭載した8GB PCは、ユーザーがアプリをひとつも開いていない段階で、すでに約6GBを使用していたという。Windows Latestは、こうしたメモリ消費の大部分をWebView2に起因するものとみている。WebView2はChromiumベースのエンジンで、Widgets、Settings、Start、Searchの一部を支えており、各インスタンスが見えないブラウザータブのように振る舞う。Windows and Devices部門のプレジデントであるパヴァン・ダヴルリ(Pavan Davuluri)は、「8GB以上を対象としたメモリ最適化」を約束し、メモリアロケーター、WinUI 3、WebView2を改善対象に挙げていた。

今回のタイミングには、技術面だけでなくコストの事情もある。メモリメーカーはAIデータセンター向けの高帯域幅チップへ生産を移している。Googleも、Androidに必要なRAMを減らす自社の取り組みを説明するなかで、Morgan Stanleyの試算を引用した。The Next Webによれば、1GBあたりの価格は1年前の約2.80ドルから、現在はおよそ12ドルに上昇しているという。こうした状況を受け、PCメーカーが8GB構成へ再び軸足を戻す一方、Appleは、macOSを最適化することで8GBでも快適に動作する599ドルのMacBook Neoを販売している。Windows Latestによると、Microsoft自身のSurfaceシリーズにも、8GBメモリ搭載で1,299ドルのノートPCがある。

今回のアップデートには、8GB以外のPCにも関係する小規模な変更も含まれる。タスクバーを画面上部や左右どちらかに配置できるようになり、Windows Helloの顔認証と指紋認証によるサインインも高速化。Windows Updateはインストールを調整して再起動を減らし、AirPodsのペアリングも最大15秒速くなる。現時点ではWindows Insidersに限られる新デザインのSearchでは、検索結果からダークモードなどの設定を直接オンにできる。

ただし、数値は慎重に受け止める必要がある。Microsoftが示す20%という数字は、ビルド26300.9550と旧バージョンの26200.7628で、Search、Start、右クリックメニュー、Settings、Snipping Tool、File Explorerの応答時間を比較したものだ。The Next Webが指摘したように、これらはいずれもメモリのテストではない。8GB PCのメモリ改善については具体的な測定結果が示されておらず、新しいビルドでの改善に基づくという脚注があるだけだ。公開されている唯一の実機テストは、今月初めにWindows Latestが行ったもので、16GBノートPCではメモリ使用量が約2GB減った一方、8GB PCでは使用率96%のまま変化がなかった。このテストが最新の改善を反映していない可能性はあるものの、現時点で唯一の独立したデータであり、Microsoft自身も実際の性能はデバイスによって異なるとしている。

これらの改善がすべてのPCに一斉に届くわけではない。Microsoftによると、幅広い展開が始まっているものの、適用時期はデバイスや地域によって異なる。一方、同社が測定に用いたビルドはInsiderプレビュープログラム向けだ。Digital Citizenによれば、まずWindows Insidersに変更が提供され、その後、今年後半に一般向けの提供が広がる見込みだという。メモリ関連の変更について、Microsoftは対象外となる国を挙げていない。特定のハードウェアではなく、Windows 11自体に適用されるためだ。発表内容のうち米国限定のものもひとつある。11月2日から12月31日まで、参加する米国の小売店で対象のWindows 11 PCを購入した人は、Skyrim Special EditionやHalo: Combat Evolved Anniversaryなど、25本のXbox PCゲームを追加料金なしで入手できる。

Microsoftが変更を発表したのは10月15日。ダヴルリが進めるメモリ改善は2026年末まで続き、一度のアップデートではなく段階的に提供される。また、新しいWindows Searchは今年後半にすべてのユーザーへ届く予定だ。8GBノートPCで新しいビルドを誰かがテストするまでは、こうしたPCへの期待は脚注に記された約束にとどまる。

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