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「戦いの向こう」:三木監督が撮った日本ワースト・WBC敗退の記録

Jack T. Taylor

三木慎太郎監督は5年間で侍ジャパンを3度カメラに収めた。最初の作品では世界一を記録した。3作目となる『戦いの向こう 侍たちの記録 2026 WORLD BASEBALL CLASSIC』では、日本のWBC史上最早の敗退を記録する。同じ監督による同じ被写体でも、求められる仕事はまったく異なる。

日本のスポーツ・ドキュメンタリーの伝統は、ほぼ全面的に「勝利の論理」か、せいぜい「勝利代替の論理」の上に成立してきた。敗戦は「次につながる希望」として提示され、早期敗退は「次の挑戦への出発点」として再文脈化される。三木氏自身がこの数年でその両モデルの最も鮮明な例を提供している。「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」はNPBとの共同製作でPrime Videoにて公開された2023年WBC優勝の記録であり、前者の典型例だ。2024プレミア12決勝の敗戦後にはUnity and Beyond — The Suffering and Hope of the Samuraiで後者を試みた。この劇場公開作は、それでも「再起」への扉をわずかに開いたままにしていた。

『戦いの向こう』にその扉はない。本作は三部作の中で初めて、ジャンルが語り方を持たない段階で敗退した当事者たちを追う作品だ。その文法は、三木氏が編集台で自ら構築しなければならない。

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建前と本音の間で

三木氏の作家的刻印は技法ではなく、軌跡である。同一の被写体に関する3作連続の記録映像を監督した事実は、世界のスポーツ・ドキュメンタリスト界で類例を探しにくい。カメラはこの選手たちと歴史を共有している。勝利の日にも彼らのロッカールームにいた。その歴史は、2026年の映像素材の意味そのものを変える。2023年のダグアウト映像が内的な対比として反響することは、三木氏の意図を超えて不可避だ。

3つの形式的決定が、インタビューの1秒が流れる前から論点を運ぶ。第一は単独カメラによるアクセスだ。日本のプレス資料では「唯一密着を許された一台のカメラ」と表現されているこの選択は、マルチカメラが生み出す「網羅性の錯覚」を意図的に排除する。1台のカメラは証言を生む。何を撮り、何を撮らなかったかという倫理の証言だ。

第二の決定はナレーターの交代だ。2023年作品では久保田利伸氏が担った「制度的な声」——日本の視聴者が中立的なスポーツ報道として読む声——が、本作では二宮和也氏に替わる。嵐の元メンバーであり、今は俳優として活動する二宮氏は、決定的な試合の夜、マイアミのloanDepotパークに実際に足を運んでいた。彼は記者席のコメンテーターとしてではなく、スタンドでその場を目撃したファンとして、敗戦を身の内に引き受ける。

第三はサウンドだ。B’zのボーカル・稲葉浩志氏が本作のために「果てなき夜を」を書き下ろした。数千万人がリアルタイムで目撃した敗退を中心に据えた、オリジナルの楽曲として。この3つの選択を重ねると、Netflixが本作を「スポーツ報道」ではなく「ポップカルチャーの感情インフラ」として位置づけていることが浮き彫りになる。

5人の中継ぎ、6失点

日本は東京ドームで4勝0敗のグループリーグを終えた後、ディフェンディング・チャンピオンとしてマイアミのloanDepotパーク準々決勝に臨み、3月14日にベネスエラに5対8で敗れた。日本のWBC史上最早の敗退であり、一試合における最多失点でもある。

試合の立ち上がりは、なじみ深い物語を予兆させた。ロナルド・アクーニャJr.と大谷翔平選手が相互に先頭打者本塁打を記録した——WBC史上初の”両軍先頭打者アーチ”だ。2回に右膝の不調で退場した鈴木誠也選手に代わって出場した森下翔太選手が、3点本塁打でスアレス投手を攻略し5対2とリードした。そしてブルペンが開いた。

5回、住田投手がマイケル・ガルシア選手に2点本塁打を浴びた。6回、2025年沢村賞受賞者——日本のサイ・ヤング賞——の伊藤大海投手が、ウィリャー・アブレウ選手に対して時速91マイルの直球をど真ん中に投じた。打球はライト2階席に吸い込まれた。3点本塁打、逆転。5人の中継ぎ、6失点、5イニング。翌朝、井端弘和監督は退任の意向を示した。

「本音」の映像を撮れるか

本作が深部で処理するのは敗戦そのものではなく、所有権の問いだ。侍ジャパンの物語は、今日誰のものか。

主力の多くはMLB球団と契約する選手たちだ——大谷・山本由伸両選手はドジャース、鈴木誠也選手はカブス、伊藤大海投手は沢村賞受賞後の初シーズン。彼らが日本代表ユニフォームを着るのは年間わずか数週間に過ぎない。チームのブランド権はNPBに、選手契約はMLBに、そして中継権は推定150億円でNetflixに帰属する——2023年の5倍、2006年の15倍だ。ベネスエラに敗れたとき、見出しの下に潜んでいた本質的な問いは「なぜブルペンが崩れたか」ではなかった。「この出来事をナラティブへと変換する正当性は誰が持つか」という問いだった。NPBは三木監督と制作コンソーシアムを通じ、単独カメラ密着というかたちで優先権を確保した。Netflixは配給とスケジュールを掌握する。各MLB球団に散った選手たちは、そのどちらも握っていない。

閉じられない問い

二宮和也氏と稲葉浩志氏を起用した選択は装飾ではない。両者ともに元アスリートでも野球解説者でもない。日本の芸能界を代表する存在であり、その登場が本作を大衆娯楽プロダクトへと転換させる。Netflixの150億円投資は、野球ファン以外の視聴者層を捕捉する必要を前提にしていた。35歳未満は大会中のライブ視聴者の30%超を占め、20歳以上の女性は視聴全体の48%を構成した。本作はそのサブスクライバーのために設計されている。

1,790万人がNetflixでの日本対オーストラリア戦を生中継で視聴した。1,726万人がベネスエラ戦を見た。視聴者はすでに記憶によってその出来事を所有している。本作が開き、閉じない問いはこうだ——敗退から5週間後に公開される「敗戦のドキュメンタリー」は、生中継が与えなかった何を提供できるか。そして与えることを拒むものは何か。

建前としての日本スポーツ映像は、常に勝利か、その代替物を求めてきた。本音——つまり敗退後のロッカールームで選手たちが実際に何を言い、何を感じているか——を映像として残した日本スポーツドキュメンタリーの語彙は、いまだ十分に整備されていない。三木慎太郎監督はその語彙を今まさに作ろうとしている。その試みの結果が、ジャンルとして何を映すことを許すかを問う記録にもなっていく。

『戦いの向こう 侍たちの記録 2026 WORLD BASEBALL CLASSIC』は三木慎太郎監督によるサムライジャパン三部作の完結作。2023年WBC優勝を記録した「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」、2024プレミア12決勝敗退を記録したUnity and Beyond — The Suffering and Hope of the Samuraiに続く作品だ。ナレーションは二宮和也氏、主題歌「果てなき夜を」は稲葉浩志氏の書き下ろし。

2026年4月20日よりNetflixにて世界独占配信。

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