俳優

Josephine Bornebusch、『Baby Reindeer』を撮った北欧の俳優兼監督

Penelope H. Fritz
Googleで追加する
Josephine Bornebusch
Josephine Bornebusch
Photo: Frankie Fouganthin / CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
生年1981年9月12日
スウェーデン ストックホルム
職業俳優、脚本家、映画監督
代表作いつか笑いあえるなら
受賞クリスタレン

スウェーデンでは今も、ジョセフィン・ボーンブッシュ(Josephine Bornebusch)といえば、Solsidanで演じてきた、見栄やステータスにこだわる隣人ミッカンだ。だがスウェーデンの外で、その顔をBaby Reindeerの最終3話を監督した人物と結びつける人はほとんどいない。リチャード・ガッドがストーカー被害を語る物語が、決着へと向かうパートだ。同じ名前のもとに二つのキャリアがあり、そのうち一つだけが国外にも知られている。

彼女の最新の決断は、海外向けに語られてきたキャリアの筋書きをかき乱すものだ。Netflixでの大ヒットを経て、レイチェル・ワイズ主演のVladimirに参加し、アニャ・テイラー=ジョイが出演するシリーズも控えるなか、彼女はスウェーデンの山間部に戻り、ドタバタ喜劇を撮った。The Storm(Stormen)では、シェフが誕生日の夕食に幻覚作用のあるキノコを混ぜたことで、大雪に閉ざされた農家にグスタフ・スカルスガルド、アリエット・オプハイム、そして国内屈指のコメディ俳優たちが閉じ込められる。「豪華なパッケージでドタバタ喜劇を作れるのか、試してみたかったんです」と、彼女はスウェーデン通信社TTに語った。

映画はもともと家族の身近にあった。曾祖父のアルネ・ボーンブッシュは映画監督、母のシアン・ボーンブッシュはセットデザイナーで、父のペール・ランゲー=クリスチャンセンはレストランを経営していた。1981年9月12日にストックホルムで生まれたジョセフィンは、2歳のときにマリー=ルイーズ・エクマン監督のModerna människorでカメラの前に立ち、子ども劇場「Vår teater」の舞台で幼少期を過ごした。ブレイクのきっかけは18歳になった1999年。SVTのフェリーを舞台にしたドラマRederietで、上流階級のマドレーヌ・ボワス・ド・ブラックを演じた。

次の10年で、彼女は作り手というより、スクリーンでおなじみの顔になっていった。2000年公開のJärngängetとVingar av glasではアレクサンデル・スカルスガルドと共演し、2002年のHundtricketでも再び顔を合わせた。その後はコメディへと軸足を移し、SVTの休暇シーズン向けシリーズPlaya del Sol、スケッチ番組Fredag hela veckanに出演。2010年からはSolsidanに参加し、サレム・アル・ファキールとテーマ曲「I’m So Happy」も録音した。Welcome to Swedenではグレッグ・ポーラー演じる人物の相手役エマを演じ、スウェーデン語と英語の二言語で制作されたこのシットコムでは脚本とプロデュースも担当した。同作はスウェーデンのTV4と米国のNBCで放送され、2015年に打ち切られた。2014年にはヤングアダルト小説Född fenomenalを発表している。

転機はカメラの後ろに立ったことだった。2018年にファミリー映画LasseMajas detektivbyrå – Det första mysterietで長編監督デビューを飾った後、2019年にはViaplay向けにÄlska mig(Love Me)を制作。シリーズの企画、脚本、監督、プロデュースを担い、主人公クララも演じた。同作は2020年のクリスタレン賞で年間最優秀テレビドラマに選ばれ、ヒューゴ・ウィーヴィング主演のLove Meとしてオーストラリアでリメイクされた。パンデミックで別の企画が延期されると、彼女はグンナル・A.K.・イェルヴスタードと数週間でOrcaを書き上げ、すぐに撮影に入った。脚本はグルドバッゲ賞の最優秀脚本賞にノミネートされた。2022年には、再び企画・監督・主演を務めたHarmonicaが続いた。

その後、英語圏の業界から声がかかるようになる。シャロン・ホーガンが手がけるApple TV+のブラックコメディBad Sistersでは、2022年にシーズン1の3話を監督。同シーズンはのちにBAFTAの最優秀ドラマシリーズ賞を受賞した。2024年にはヴェロニカ・トフィルスカとともにBaby Reindeerを手がけ、全7話のうち第5話から第7話を監督。同作はその年、Netflixで最も話題になった作品の一つとなった。同年秋には、脚本・監督・主演を務めたNetflix映画Let Go(Släpp taget)が公開された。人生を変える知らせを受けた母親ステラが、夫グスタフも含めて崩れかけた家族を引き連れ、10代の娘が出場するポールダンス大会へ向かう物語だ。グスタフ役はポール・スヴェーレ・ハーゲンが演じた。ボーンブッシュによれば、視聴者数は2,100万人を超えたという。

彼女が語る仕事の分担は、国際的なキャリアの限界も示している。「母国では脚本を書いて監督しますが、海外では主に監督として参加します」とTTに話した。Baby Reindeer、Bad Sisters、Vladimirの作者性は、それぞれガッド、ホーガン、原作小説に属する。彼女の持ち味は作品のトーンや、俳優から引き出すものに表れるが、まさにそうした貢献は観客に名前で評価されにくい。彼女自身が名を連ねる作品は、観客の反応が割れることも多い。The StormにはMovieZineの批評家が星4つをつけた一方、翌日には同誌が、作品を「完全な失敗作」と切り捨てる観客の声を伝えた。ドタバタ喜劇へ舵を切った理由について、彼女は率直に語っている。ストーカー行為や性的虐待を扱った作品、そして別の作品でのがんなど、仕事を重ねるごとに題材が重くなっていたが、そうしたテーマは自分にとって書きやすいのだという。「心配性だからです」と彼女は話す。

現在も予定は目白押しだ。ジュリア・メイ・ジョナスの大学キャンパス小説を原作に、ワイズとレオ・ウッドールが出演するNetflix版Vladimirは3月に配信され、ボーンブッシュは2話を監督した。The Stormは10月2日にスウェーデンの映画館で公開され、10月15日にはNetflixで世界配信。フィリップ・ベリ、ヨナス・カールソン、ヨハン・レーボリ、ヘンリク・ドーシン、ギゼム・エルドアンらとともに、キナ役で出演もしている。着想を得たのは、実際に北スウェーデンで開かれ、参加者が雪で足止めされたパーティーだった。

YouTube video

次に控えるのは英語のシリーズ2作だ。ベラ・マッキーの小説を原作とするNetflixの全8話シリーズHow to Kill Your Familyで、彼女は監督の一人を務める。エマ・モランが脚本を手がけ、アニャ・テイラー=ジョイが父親の親族を一人ずつ殺していく女性を演じ、父親役はクライヴ・オーウェンが務める。また、ホリー・グラマツィオの小説を原作とするApple TVのThe Husbandsでも監督を担当。A24が製作する同作では、ジュノー・テンプル演じる女性が帰宅するたび、自分と結婚していると主張する別の男性が家にいる。いずれの作品も、公開日はまだ決まっていない。

彼女はエリック・ゼッターベリと結婚しており、2014年と2016年に生まれた2人の子どもがいる。次に考えられそうな選択肢については、すでに否定している。「いいえ、そのつもりはありません」と、ハリウッドへ移る可能性について語った。「生活の拠点を母国に置けるのはすてきなことだと思いますし、家族もスウェーデンにしっかり根を下ろしています」。いま問われているのは、海外の業界が求める監督と、スウェーデンで知られる脚本家が、同じ作品のなかで一人の人物として両立できるかどうか。そして、故郷で次に書く映画が、Baby Reindeerによって海外で得た信頼に応えられるかどうかだ。

テレビ代表作

タグ: , , , , ,

Googleで追加する

ディスカッション

0件のコメントがあります。