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『Six Nations: Full Contact』は見世物が先行、掘り下げは物足りない

Liv Altman
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雨に濡れたトゥイッケナムのピッチを、泥だらけのスパイクで歩くフレディ・スチュワード。その周りには、手痛い敗北を喫したイングランドのチームメイトたちが集まっている。「Six Nations: Full Contact」が届けると約束するのは、まさにこうした生々しく飾り気のない瞬間だ。2023年のギネス・シックス・ネーションズを舞台裏から迫る、臨場感あふれるシリーズである。だが、大きな志とNetflixの後ろ盾がありながら、ジョシュ・ジェイコブズが手がけたこのドキュメンタリーシリーズは、しばしば期待を生かしきれず、本物の洞察よりも中身の薄い見世物に傾いている。

「Full Contact」は冒頭から、親密な選手密着と緊張感あふれる競争を組み合わせ、Netflixの「Formula 1: Drive to Survive」の成功にあやかろうとする。全6節にわたって覇権を争う欧州ラグビーの強豪6カ国、イングランド、フランス、アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズを追う。マーカス・スミス、エリス・ゲンジ、ダン・ビガー、スチュアート・ホッグらスター選手が登場し、才能にもドラマにも事欠かない。しかし「Drive to Survive」が個人の物語と競技の緊張感を巧みに両立させているのに対し、「Full Contact」は型にはまった展開に陥ることが多い。

シリーズの見どころは、ラグビーの圧倒的なフィジカルの強さに焦点を当てた場面にある。目を見張るトライ、骨身に響くタックル、満員のスタジアムを包む熱気が、躍動感あふれる映像によって生き生きと伝わり、ピッチ上の試合は文句なしにスリリングだ。試合中のカメラワークはとりわけ効果的で、この競技のスピードと激しさを捉えており、熱心なファンも満足できるだろう。また、エリス・ゲンジの厳しいトレーニングや、試合後に心境を語るフレディ・スチュワードなど、選手たちのピッチ外の暮らしを垣間見せる場面にも、見応えがある。

しかし、本当の洞察が感じられる瞬間がある一方で、「Full Contact」はお決まりの落とし穴にもはまっている。構成にはどこか既視感があり、演出された会話やドラマ仕立ての再現に頼ることで、真実を映し出すというシリーズの触れ込みが損なわれている。「Drive to Survive」が個人のドラマと大勝負の緊張感を巧みに編み上げるのに対し、「Full Contact」は浅い物語で済ませてしまうことが少なくない。チームワークや粘り強さをめぐる使い古された決まり文句を繰り返しながら、意味のある深みを加えられず、ほかのスポーツドキュメンタリーとの差別化にも苦戦している。

「Full Contact」の大きな問題のひとつは、選手たちの描き方だ。ラグビー界を代表するスター選手が出演しているにもかかわらず、シリーズは彼らを「不屈の主将」「情熱的なコーチ」「若き天才」といった一面的な類型に押し込めがちだ。イングランドのスクラムハーフ、スティーブン・ヴァーニーのように、個性が垣間見える場面もある。しかし多くの場合、選手たちは本当の自分を見せることなく、ありきたりなコメントを口にする役回りにとどまっている。こうした奥行きのなさは第2シーズンでとりわけ顕著で、前シーズン以上に性急で表面的な印象を受ける。

「Full Contact」がとりわけ的を外しているのは、シックス・ネーションズという大会ならではの力学を生かせていない点だ。大会の文化的な意義に踏み込んだり、ラグビーを魅力的にしている個性豊かな人々を掘り下げたりする代わりに、どこにでも当てはまるような描き方に終始している。たとえば、イタリア代表のヘッドコーチとアシスタントコーチという対照的なコンビは、興味深いサブストーリーになり得たはずだ。ところが、その関係性はほとんど取り上げられず、よりありきたりなチームづくりの物語が優先されている。

舞台裏に本当の意味で迫れていないことも、このシリーズの弱点だ。チームミーティングや練習風景を垣間見せる場面はあるものの、演出されたもの、あるいはあらかじめ決められた筋書きに合わせて大幅に編集されたものに感じられることが少なくない。これは、物議を醸した主審の判定や選手間の対立といった場面の扱いに、特にはっきり表れている。複雑な事情を丁寧に分析するのではなく、善悪が明快な道徳劇のように単純化してしまい、問題の入り組んだ側面を損なっている。

演出面では、ジョシュ・ジェイコブズの手腕はおおむね堅実だが、これといった新鮮味に欠ける。エピソードによっては展開を急ぎすぎ、別の回では引き延ばしが目立つなど、テンポにばらつきがある。試合映像から選手インタビューへの切り替えも、自然につながるというより唐突に感じられ、編集には改善の余地が残る。実際の試合を捉えた映像は見事だが、ドキュメンタリー部分には視覚的な工夫が乏しく、インタビュー映像やありきたりなBロールに頼りすぎている。

テーマの面でも、「Full Contact」は焦点を定めきれない。プロラグビーに伴う個人的な犠牲や精神的な負担を描こうとし、けがからの復帰や大一番へのプレッシャーといった問題にも触れている。しかし、どのテーマも十分に掘り下げられず、意味のある考察というより表面的な指摘にとどまっている。また、欧州社会において変化しつつあるラグビーの役割や、国民意識と結束といった問題への影響など、ラグビーをめぐるより幅広い文化的な議論に踏み込む機会も逃している。

では、「Six Nations: Full Contact」は誰に向けた作品なのか。ラグビーを熱心に追うファンにとっては、おなじみの内容に感じるところがあったとしても、好きな選手やチームの舞台裏を知る貴重な機会になる。ピッチ上の試合は文句なしにスリリングで、選手同士の関係性を垣間見せる場面もあり、すでに競技に関心がある人なら見る価値はあるだろう。一方、気軽に楽しみたい視聴者やラグビー初心者には、期待外れかもしれない。競技の細かな魅力を掘り下げる視点も、より引き込まれる物語構成もないため、2シーズンにわたるシリーズとしての意義を示しきれていない。

結局のところ、「Six Nations: Full Contact」は高い目標を掲げながら、そこに届かなかったシリーズだ。ピッチ上のスリリングな試合や、舞台裏を垣間見せる場面には見どころがあるものの、型どおりの語り口、掘り下げの不足、独自の題材を生かしきれなかったことが重なり、際立つ作品にはなりきれていない。

キャスト

写真:The Movie Database (TMDB)

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