音楽

diigが初フルアルバム「persona」で示す、インディーJ-popの今

Alice Lange

diigのデビューアルバム「persona」が、独立系アイドルシーンに問いを投げかけている。全12曲を収めたこのアルバムは、ekoms Inc.が流通し、同社代表・桜井健太が制作した。グループがライブで培ってきた楽曲群と、これまで音源化されていなかった新曲「Missing」を収録し、現在に至る軌跡を初めて一枚にまとめた作品だ。

独立系J-popにおいて、デビューから間もない段階でフルアルバムを発表することは珍しい。メジャー事務所の後押しを持たないアイドルグループは、フェスの舞台を通じてオーディエンスを積み上げていく。diigが最初の一歩を踏み出したのは、横浜アリーナで開催された@JAM EXPOのステージだった。アイドルシーンを代表するこのフェスで存在感を示したグループは、その後もライブ活動を軸に活動を展開し、「persona」はその積み重ねに初めて体系的な形を与えた作品だ。

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収録12曲は、イントロダクション的な「Dreams」に始まり、「Persona」「Neon」「Moratorium」「Do Re Mi」「Toy」「Vanilla」「Gura」「Errorrrrrr」「Re:pain」と続く。ファンに支持されてきた人気曲「dididi」の新録音版も収録され、未発表楽曲「Missing」でアルバムは幕を閉じる。この構成が示すものは明快だ。グループはこれまでの積み重ねを提示しつつ、次の段階の始まりを同時に宣言している。

アルバムタイトル「persona」は、その意図を象徴している。シングルの積み重ねではなく、グループが意図的に構築しようとしている自己像の宣言だ。独立系レーベルからフルアルバムという形を選んだことは、現在のJ-popインディーズシーンにおいて一つの立場表明となっている。メジャーに頼らず、アルバムという器で自己を語るグループが、日本の独立系音楽シーンには脈々と存在してきた。diigはその系譜に連なろうとしている。

ただし、「persona」がこの先どこまで届くかは、まだ見えていない。タイトル曲のMVは数万回の再生数にとどまっており、ストリーミングの数字もすでにdiigを知っている層への浸透を示すものだ。インディーアイドルシーンには、フェスを拠点に根強いファンを持ちながらも、それ以外のリスナーには届かないグループが少なくない。「persona」がその壁を越えられるかどうかは、J-popの外側にいるリスナーがこのアルバムに辿り着けるかどうかにかかっている。

「persona」はSpotifyをはじめ各ストリーミングプラットフォームで配信中だ。リリース日は6月9日。

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