ビジネスと金融

Google親会社Alphabet、AI投資で現金90億ドル流出 負債はほぼ3倍に

第3四半期の設備投資は前年の2倍超の514億ドルに膨らみ、長期負債は1251億ドルに達した。財務責任者は2027年の投資が大幅に増えると見込む
Victor Maslow
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検索ボックスを企業史上屈指の安定した現金創出装置へと変えたアルファベットが、前四半期、事業で稼いだ額を上回る資金を支出した。人工知能向けのデータセンターや半導体に数十億ドルを投じ、自社株買いを停止し、不足分を借入金で補った。時間外取引で、投資家は同社株をおよそ1割下落させた。

これは株式を選ぶ投資家だけに関わる話ではない。アルファベットは、多くの人々の貯蓄を預かるインデックスファンドや年金基金が保有する最大級の銘柄の一つであり、長年にわたり、余剰資金の大部分を株主に還元してきた。いま、その資金はコンクリートやサーバー、電力契約に注ぎ込まれており、費用の一部は負債と新株発行で賄われている。

赤字に転じた現金創出の優等生

アルファベットがSECに提出した決算発表によると、第3四半期の有形固定資産への支出は514億ドルに達し、前年同期の240億ドルから倍以上に増えた。同じ3カ月間に、事業部門が生み出した現金は423億ドルだった。この差により、フリーキャッシュフローはマイナス90億7000万ドルとなった。CNBCによれば、アナリストが予想していた約27億ドルの赤字を大きく上回る規模だ。前四半期のマイナス59億ドルに続き、2四半期連続の赤字となった。

資金調達の形も変わった。アルファベットは287億ドルの新規社債を発行し、9月末時点の長期負債は1251億ドルに達した。前年末の465億ドルから増加したことになる。また、市場価格で株式を随時売却するプログラムを通じて、124億ドル相当の新株も発行した。前年同期に115億ドルに上った自社株買いは、ゼロになった。

投資が成果を上げている分野

この支出は成長につながっている。Google Cloudの売上高は2倍以上の307億ドルに増え、Google独自のTPUチップの販売が大きく貢献したとされる。クラウド部門トップのトーマス・クリアンは、AI研究機関、金融機関、企業から「並外れた需要」があると語った。Geminiアプリの利用者は10億人に達し、アルファベットは、Google史上最も速いペースで成長している製品だとしている。営業利益は30%増の406億ドルだった。

投資しても解消されていない課題

ほかの事業を支える中核部門は、予想を下回った。検索広告の売上高は12%増の633億5000万ドルとなり、アナリスト予想の649億6000万ドルに届かなかった。一方、最高経営責任者のスンダー・ピチャイは、AIによって検索クエリが過去5年間で最も速いペースで増えていると述べた。「成長率103%で予想を上回ったのはクラウド事業だけだった」と、ジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティルはCNBCに語った。「ほかはすべて予想を下回った」。純利益は287億ドルから262億ドルに減少し、1株当たり利益は2.87ドルから2.12ドルとなった。CNBCによると、SpaceXやAnthropicを含む株式投資ポートフォリオで87億ドルの評価損を計上したことが響いた。さらに、クラウド事業への需要の一部は、同じAIブームに自らの財務を依存するAI研究機関から生まれている。

すべての面で縮小しているわけではない。アルファベットは四半期末時点で20万4757人を雇用しており、前年同期から約8%増えた。今回の決算を受けても、どの国においてもGoogleが利用者や広告主に課す料金に変更はない。変化したのは事業拡大に必要な資金の調達方法であり、いまやリスクを負うのは株主だけでなく社債保有者でもある。

さらなる支出増はすでに予告されている

アルファベットは、2026年の設備投資額を1950億~2050億ドルとする見通しを維持した。「2027年も設備投資が大幅に増えると引き続き見込んでおり、第4四半期の決算説明会で詳細をお伝えします」と、最高財務責任者のアナト・アシュケナジーはアナリストに語った。取締役会は1株当たり0.22ドルの四半期配当を決議し、12月14日に支払う予定だ。第4四半期の決算は来年初めに発表される。

前四半期に事業が生み出した現金1ドルに対し、アルファベットは建物や半導体に約1.21ドルを投じた。

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