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『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は開き直った珍コメディ、軽くて一貫しているが記憶には残らない

アンディ・サーキス監督による2021年の続編。90分でバカバカしさを貫く。
Martha O'Hara
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アンディ・サーキス監督の『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は、前作の曖昧さを捨て、ばかばかしさにすべてを賭けた続編だ。Silver Screen Riotは、前作が真面目さと悪ふざけの両方に色目を使っていたのに対し、サーキス版は徹頭徹尾の改善だと評している。上映時間は1時間半ほどと短い。ジャーナリストのエディ・ブロック(トム・ハーディ)と、彼の体に住む異星生命体ヴェノムの前に、連続殺人鬼クレタス・カサディ(ウディ・ハレルソン)が立ちはだかる。

物語の起点は1996年、セント・エステス児童養護施設だ。若き日のカサディの恋人フランシス・バリソンが、レイヴンクロフト施設へ移送される途中、超音波の叫びで若き警官パトリック・マリガンを襲う。マリガンは彼女の目を撃ち、自分も叫びのせいで耳を傷める。現在、刑事になったマリガン(スティーヴン・グレアム)は、カサディがエディとしか話そうとしないため、サン・クエンティン刑務所での面会を頼む。面会後、ヴェノムが遺体の隠し場所を推理し、エディの経歴は一気に上向く。

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死刑判決を受けたカサディは、自分の処刑にエディを招く。その場でカサディはエディを挑発し、ヴェノムが反応した隙にエディの手を噛む。この時、シンビオートの一部がカサディの体内に入ってしまう。家に戻ったエディとヴェノムは激しく口論し、自由を求めるヴェノムはエディの体を離れる。その後、改めて処刑が始まると、赤いシンビオートが現れて注射を阻む。これがカーネイジだ。カーネイジは刑務所で暴れ、囚人を解放して看守を殺し、カサディとともにフランシスの脱走を手助けする。こうして前作の陰謀劇は、IGNの言う「『セブン』や『ゾディアック』のような連続殺人スリラーとコミックブック映画の混成」へと姿を変える。

最大の見どころは、エディとヴェノムの同居コメディだ。Silver Screen Riotはこれを「ビートルジュースと『おかしな二人』の出会い」と呼んだ。エディは家で「殺人禁止」を掲げ、人の頭をかじりたいヴェノムを抑え込む。IGNは、ヴェノムの軽口をHBO Maxの『ハーレイ・クイン』のクレイフェイスやMCUのドラックになぞらえ、エディが彼を「豚犬馬アヒル」と呼ぶ場面も紹介している。台所をヴェノムが荒らす場面は、IGNによれば『ファンタジア』の「魔法使いの弟子」を思わせる。破壊の場面にまで、笑いがしっかり付いて回る。

俳優陣では、ハーディが一人でエディとヴェノムの両方を担い、The Action Eliteは彼を「ヴェノムを必要とする憎めない負け犬」にしていると書く。ハレルソンについて同サイトは、決して手を抜かず、殺人鬼でありながら観客に少し同情させるとする。ナオミ・ハリスはシュリーク役で、同サイトが「ほとんど別人で気づかなかった」と驚くほどの変貌ぶりだ。ミシェル・ウィリアムズ、リード・スコット、ペギー・ルーら脇役は出番こそ小さいが、IGNは効率的に使われていると見る。

悪役側の恋も見逃せない。The Action Eliteは、カサディとフランシスが本当に愛し合っている点を面白いと見る。主人公のエディが恋愛に恵まれないのに対し、悪役たちは愛を見つけるという対比だ。IGNもカサディの動機を復讐と痛みに根ざしたものとし、理屈では説得できない敵だと位置づける。時間の経過を示すのは、IGNが皮肉るようにカサディの小ざっぱりした新しい髪型くらいだが、その分、物語は余計な回り道をしない。

脚本はケリー・マーセルで、Silver Screen Riotはこれを罵倒まじりの意識の流れ、12歳児の衝動が書いたようなものと呼びつつ、だからこそ笑っていいのだと受け取った。ニューメタルが暴れる音楽選びも含め、前作で気に障った要素はほぼそのまま残っているのに、今回は全員が同じ馬鹿馬鹿しさを目指していると同評は見る。IGNは同じ脚本を引き締まったものと評価している。罵倒と軽口を詰めこんだ台詞がだらけずに90分で終わる点は、どちらの評も認めるところだ。

技術面では、サーキスのモーションキャプチャの経験が生きている。The Action Eliteは視覚効果に不満がなく、マルコ・ベルトラミの音楽は目立たないものの、最終決戦の合唱が効いていると述べる。同サイトは暴力描写が削られた印象も指摘するが、残虐さを増やしても映画が良くなるわけではないという立場だ。一方、The Guardianは本作を「称賛すべき軽さを持つが、使い捨てに近い続編」と断じた。映画が軽さ以上のものを狙わないのは事実で、笑いも恐怖も観終えるとすぐ薄れる。

本作は2018年の『ヴェノム』に続くソニーのスパイダーマン・ユニバースの第2作で、前作の最後にハレルソンが顔見せしたことが布石になっている。音楽は前作のルドウィグ・ゴランソンに代わってベルトラミが担当した。撮影は2019年11月から2020年2月まで英国のリーブスデン・スタジオで行われ、2月にサンフランシスコで追加撮影があった。公開は新型コロナの影響で2020年10月から延期を重ね、2021年9月14日にロンドンでプレミア、10月1日に米国で公開された。批評家の反応は賛否入り混じっていたが、世界興行収入は約5億600万ドルで、2021年公開作の第7位に入った。深みは乏しい。それでも、短い上映時間にエディとヴェノムの喧嘩と悪役二人の恋を詰め込み、ふざけることをためらわない思い切りの良さが、この続編の取り柄だ。

キャスト

写真: The Movie Database (TMDB)

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