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中島歩、正統派の顔で「信用できない男」を演じ続ける俳優 初主演まで13年

Penelope H. Fritz
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中島歩
中島歩
Photo via The Movie Database (TMDB)
生年1988年10月7日
日本宮城県
職業俳優
代表作偶然と想像, Asakusa Kid
受賞たま映画賞 最優秀新進男優賞 · 高崎映画祭 最優秀助演男優賞

ある夏、日本の視聴者はNHKの朝ドラで中島歩(Ayumu Nakajima)が静かに息を引き取るのを見届けたかと思えば、今度はフジテレビで、愛人を囲いながら出世のために教師に近づく銀行員として彼を目にした。前者では架空の夫を悼む声が上がり、後者ではSNSに「キモい」という反応が相次いだ。同じゆったりとしたバリトンの声、同じ長身で落ち着いた佇まい。監督たちは中島に信頼できる男の姿を見る。だからこそ、彼らはその正反対の男を演じてほしいと、何度も彼に声をかけるのだ。

近年の目覚ましい活躍から想像するよりも、この矛盾の根は深い。中島は明治期の小説家・国木田独歩の玄孫で、名前にも独歩の号から一字をもらっている。宮城県に生まれ、4歳から東京・北区の王子で育った。中学ではサッカー、高校ではバレーボールに打ち込み、日本大学芸術学部で文学を学ぶ。落語研究会に所属し、わざとふざけた芸名を次々と名乗って漫談を披露した。中学・高校の国語教員免許も取得している。

だが、彼が足がかりに選んだのはモデルだった。2012年1月にモデルを辞め、アルバイトをしながらオーディションを受けるようになる。転機をもたらしたのは、日本の芸能界でもひときわ演劇的な存在、美輪明宏だった。三島由紀夫の戯曲『黒蜥蜴』の公演で雨宮潤一を演じる俳優として、約200人の候補者の中から中島を選んだのだ。1988年10月7日生まれの中島は、2013年4月、24歳で舞台デビューを果たす。翌年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』で宮本龍一を演じ、菊池亜希子と共演した初主演映画『グッド・ストライプス』では、TAMA映画賞の最優秀新進男優賞を受賞した。

だが、その勢いは止まった。中島は20代後半を、稽古場でずたずたにされるような日々だったと振り返っている。同じ監督から何の注文も受けない同世代の俳優たちが、いつしか仕事を失っていくのを目の当たりにしていた。「現場にいるだけで、ものすごく緊張していたんです。失敗してはいけない、また呼んでもらいたいと、ずっと考えていました」と、2026年1月に『デイリースポーツ』に語った。日本のテレビ界はすでに、彼にハンサムな主役の衣装を着せていた。そうした役はいくらでもあった。彼にほかに何ができるのかを見極めるまでには、10年を要した。

答えは映画祭の舞台から届いた。ロウ・イエ監督は初の海外製作作品『サタデー・フィクション』で梶原役に中島を起用。同作は2019年のヴェネツィア国際映画祭に出品された。濱口竜介監督は『偶然と想像』の冒頭を飾る「魔法(よりもっと不確か)」で、和明役を彼に託した。二人の友人が長々と話題にする男であり、魅力的な見知らぬ相手が自分の元恋人だと、そのうちの一人が気づくことになる。作品は2021年のベルリン国際映画祭で審査員グランプリ、銀熊賞を受賞した。この役と横浜聡子監督の『いとみち』での演技が評価され、中島は2022年の高崎映画祭で最優秀助演俳優賞に輝いた。

それ以来、中島は新しい日本のアート系映画に欠かせない顔となった。ただし、キャスト表ではたいてい数人下に名前が載る。ソラ・ネオ監督の『HAPPYEND』では岡田先生を演じ、山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』にも出演。早川千絵監督の『ルノワール』では大前崎透を演じ、同作は2025年のカンヌ国際映画祭に出品された。Netflixでは『イクサガミ』の長瀬新平役、『地獄に堕ちるわよ』の須藤豊役を務めた。後者は占い師・細木数子を描くシリーズだ。

テレビ界が彼に追いついたのは遅かったが、その後は一気に訪れた。Disney+『ガンニバル』シーズン2では、平板で恐ろしい残酷さを備えた後藤修を演じた。NHKの『あんぱん』では船の機関士・若松次郎に扮し、ヒロインと結婚した後、病で命を落とす。フジテレビの『愛の、がっこう。』では、婚約者に対する礼儀正しささえ一つの演技である河原洋二を演じた。Real Soundの批評家は、演技をする男を演じる俳優による二重の演技だと評した。その評価は妥当だ。しかし、「演技の幅」という物語は、中島を説明するというより、業界を実情以上によく見せている。どちらの夫候補もヒロインの周りを回る存在であり、そもそも脇役として書かれた役なのだ。

初めて連続ドラマの主演を務めたのは、2026年1月、テレビ東京の深夜枠だった。坂本悠吾監督の『俺たちバッドバーバーズ』で、草川拓弥とともに主演を張り、裏社会の便利屋をめぐる奇妙な日々に巻き込まれる元美容師、日暮歩を演じた。髪型は、中島自身が提案したマレットヘア。デビューからほぼ13年を経ての連続ドラマ初主演だった。「いつも考えているのは、どれだけ自由に仕事ができるか、思いついたアイデアに飛び込めるか、ということです」と、放送中に語っている。同じ年にはNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で戦国武将・浅井長政を演じ、7月からはTBSの『Tシャツが乾くまで』に出演。バス事故で運命を狂わされる2組の夫婦を描く、生方美久脚本のドラマで、蒼井優に次ぐ2番手の出演者となった。演じるのは、亡き妻が別の女性の失踪中の夫と不倫していたのではないかと疑う未亡人の園田樹だ。番組の宣伝活動では、あらゆる予想を裏切ると宣言した。

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映画でのキャリアも、同じ方向へ動き出そうとしている。三島有紀子監督の『男ともだち』は、千早茜の小説を原作とし、11月6日に日本公開。中島は既婚の医師・真司役で再び恋人を演じ、松岡茉優、成田凌と共演する。その次に控えるのは、長編映画で初めて単独主演を務める作品だ。真田幸平監督が乗代雄介のロードノベルを映画化する『旅する練習』は4月に撮影され、2027年公開予定。中島は、姪と旅をする小説家・圭介を演じる。2027年公開予定の石川寛監督作『あをの情』では、人事部長の藤野役を務める。ヒロインが信頼してはいけない男として、これからも彼には声がかかるだろう。この先2年のうちに公開される2本の映画は、彼を中心に物語を築けるのかどうかを示すことになる。

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