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『Devils’ Crest』Prime Video配信 ログアウトした小学生を怪物の現実が待つ

Molly Se-kyung
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ログアウトはできる。それこそが、Sword Art Onlineの生みの親、川原礫が手がける新作アニメ「Devils’ Crest」の核心にある問題であり、彼の名を広めたシリーズとの決定的な違いでもある。小学6年生の子どもたちがフルダイブ型ファンタジーゲームのテストプレイに参加し、ボスを倒してログアウトするつもりでいたところ、戻った現実世界はすでにゲームにのみ込まれ始めていた。アニメーション制作はProduction I.Gが担当し、Prime Videoで世界独占配信される。

川原は20年近くにわたって、ゲームからログアウトできないプレイヤーたちを描いてきた。Sword Art Onlineではメニューからログアウトボタンが消え、サーバーは牢獄と化す。ゲーム内で死ねば、現実でも死ぬ。「Devils’ Crest」は、彼のライトノベル「Demons’ Crest」を原作に、その罠を正反対の方向から仕掛ける。ヘッドセットは外せる。だが、モンスターも一緒についてくる。

時間どおりに終わるはずだったテストプレイ

物語の始まりは、意図的に小さなものとして描かれる。芦原ユーマは、双子の妹サワ、クラスメートの近藤ケンジ、佐野ミナギとともに、「世界初のフルダイブ型VRMMO-RPG」をうたう「Actual Magic」のテストプレイに参加する。公式あらすじは、計画を事務的ともいえる簡潔さで説明している。4人パーティーでボスを倒し、ログアウトし、テストプレイを無事に終える。だが、シリーズ全体を支える一文が続く。ユーマはゲームから強制的に退出させられ、戻った先は、ゲームに侵食された現実世界だった。

英語版出版社による小説の紹介文には、物語の賭け金が示されている。「Actual Magic」は小学6年生のクラス全員を、生死をかけたゲームの中に閉じ込める。クラスメートのひとりはモンスターに変えられ、巨大な獣が至るところに潜んでいる。子どもたちに残された唯一の希望は、ユーマの双子の妹に取りついたヴァラクという悪魔だ。ヴァラクの導きに従い、ユーマたちはパーティーを組み、行方不明の友人を探し始める。小説では、変身してしまう少女はワタマキ・スミカ。男子たちがアイドルのように慕っているクラスメートだ。

11歳であることの意味

Sword Art Onlineのプレイヤーたちは10代だった。ユーマは11歳。このひとつの変更によって、戦闘シーンが始まる前から、ジャンルの前提は変わる。死のゲームのルールを説明する大人たちを物語から取り払い、その役目を、子どもの妹の中に住む悪魔に託す設定だ。この物語に権威と呼べるものがあるとしても、どうやらそれは、時間どおりに家に帰るつもりだった子どもたちが、自分たちで何とか形にしていくものらしい。

アニメのスタッフ陣からは、子どもたちの年齢を真剣に受け止めていることがうかがえる。総監督のうしろシンジは、作品の対象年齢が「Devils’ Crest」で危険にさらされる子どもたちとおおむね重なる「妖怪ウォッチ」のシリーズに携わってきたほか、「Mazica Party」や「Scum of the Brave」も手がけている。「星降る王国のニナ」を監督した駒屋健一郎が監督を務める。脚本は、「Re:ZERO」の脚本や「Suicide Squad ISEKAI」のシリーズ構成を担当した梅原英司が統括する。肩書きだけを見ると、子ども向けアニメで長い経験を持つ監督と、繰り返し死を描くファンタジーシリーズで知られる脚本家が組んだ形だ。

小説のイラストを手がけ、「けいおん!」のキャラクターデザインでもアニメファンに知られる堀口悠紀子が、自らのキャラクターをアニメ用に描き直した。音楽は、「僕のヒーローアカデミア」や「ハイキュー!!」の作曲家、林ゆうきと近谷直之が担当する。

クラスの序列

キャスト発表は、そのまま教室の座席表のようにも読める。小林裕介が声を担当するスガモ・テルキは生徒会に所属し、サッカー部のキャプテンでもある。内田真礼が演じるミソノ・アリアは、クラスの序列でトップに立つ女子だ。村川梨衣が声を担当するキサヌキ・カイは、おとなしい印象ながら、周囲のことを何でも見抜いている。田丸篤志が演じる生徒会長ハイザキ・シンと、村瀬歩が演じる副会長ニキ・カケルは、クラスの誰もが最も信頼を寄せるふたりだ。

広報が繰り返し強調しているのは、その信頼関係だ。第2弾PVに寄せたコメントで、田丸は、混乱が始まればおびえたクラスメートたちはシンを頼るようになる一方、彼の行動にはさらに大きな目的があるようにも見えると語った。村瀬は、ニキを頼りになる優等生で、いざというときの度胸もある人物と表現している。あらすじからは、まさにこうした秩序を試すゲームになることがうかがえる。スタジオはモンスターが現れる前に、クラスの序列を丁寧に紹介してきた。

白石晴香がユーマ役で主演し、稲垣好がサワ役を務める。さらに、広瀬裕也と天野聡美が、最初のパーティーの残るふたり、ケンジとミナギを演じる。企画の初期段階から続投するキャストもひとりいる。小説のPVでスミカを演じた雨宮天は、アニメでも同役を続投。一方、ユーマとサワの声優は変更された。

逆向きに走るSword Art Online

比較は避けられないし、シリーズ自体もそれを促している。村瀬は、Sword Art Onlineに続いて川原の別作品に参加できることを光栄に思うと語っており、ほぼすべての発表で、その系譜が前面に打ち出されてきた。より興味深いのは、物語の構造にあるつながりだ。Sword Art Onlineは、ログアウトできないゲームという発想から、小説やスピンオフ、複数のアニメシリーズ、映画を生み出した。「Devils’ Crest」が投げかけるのは、ログアウトできたのに、戻った先がもう安全な場所ではなかったらどうなるのか、という問いだ。

日本向けのプロモーション資料では、舞台設定を「ミックスド・リアリティ」と表現している。これは、いまヘッドセットメーカーが、身を置いている部屋にデジタルオブジェクトを重ねて表示する機器に使っている言葉だ。川原がSword Art Onlineを書き始めたころ、フルダイブ型ヘッドセットはまだSFの世界のものだった。だが、ゴーグルの内側にとどまらないゲームという発想は、現在の機器の売り文句にも近い。「Devils’ Crest」は、その売り文句を脅威へと変える。小説では最初のテストプレイの日付が2031年6月6日とされており、ファンタジーというより近未来として受け止められるほど、遠くない設定だ。

音楽も、同じ方向からシリーズを彩る。Adoがオープニングテーマ「進化」を歌う。ボカロPのユリイ・カノンが書き下ろした新曲だ。エンディングテーマ「ReaL」はSoalaが作詞・歌唱を担当。ひとりぼっちだと感じるときも、友人と自分自身を信じる気持ちを持ち続けようというメッセージソングだと、本人は説明している。

Prime Videoで先行配信される理由

「Devils’ Crest」は、深夜にテレビ放送されてから配信に登場する作品ではなく、オリジナルネットアニメーションだ。Warner Bros. JapanがPrime Videoでの配信日を発表したのは東京ではなく、ロサンゼルスで開催されたAnime Expoのパネルだった。シリーズは世界同日配信でスタートする。日本国外にも、すでに視聴者の基盤がある。Yen Pressはジェームズ・バルザー訳で小説の英語版を出版しており、ウェブトゥーン版もHykeComicで配信されている。

Sword Art Onlineのプレイヤーたちには、少なくとも外の誰かが自分たちを救い出そうとしているという希望があった。「Devils’ Crest」は、その外側を消し去る。ゲームが子どもたちの家まで追ってきたとしたら、ヘッドセットの向こう側から助けに来てくれるのは、いったい誰なのだろうか。

「Devils’ Crest」:配信日、エピソード、キャスト

「Devils’ Crest」の配信開始日は? 2026年11月6日(金)午後9時(日本時間)から、Prime Videoで世界独占配信される。米国東部時間では午前7時、GMTでは正午にあたる。初日に第1話と第2話が配信される。全体の話数は、Prime Videoも製作委員会もまだ発表していない。

「Devils’ Crest」は小説が原作? そうだ。川原礫が2022年11月に電撃文庫から刊行を開始し、堀口悠紀子がイラストを担当したライトノベルシリーズ「Demons’ Crest」をアニメ化する。日本では2025年12月までに全4巻が刊行され、Yen Pressからは英語版が少なくとも3巻発売されている。アニメ化は2025年12月2日に発表された。

声優キャストは? 白石晴香(芦原ユーマ)、稲垣好(芦原サワ)、広瀬裕也(近藤ケンジ)、天野聡美(佐野ミナギ)、小林裕介(スガモ・テルキ)、内田真礼(ミソノ・アリア)、村川梨衣(キサヌキ・カイ)、雨宮天(ワタマキ・スミカ)、田丸篤志(ハイザキ・シン)、村瀬歩(ニキ・カケル)。白石と稲垣は、11月1日に東京・お台場で開催される第1話・第2話の先行上映会に登壇する予定と発表されている。

キャスト

写真: The Movie Database (TMDB)

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