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『The Club』――美しい美術セットを生かしきれない、弱い物語

Veronica Loop
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ネオンがきらめく、蒸し暑い1950年代のイスタンブール。その裏街で、ギョクチェ・バハドゥルの瞳には、育てることのできなかった娘を捜して「The Club」の客たちに目を走らせる母親の切迫した思いが映る。ゼイネプ・ギュナイ・タンが手がけたトルコのドラマシリーズは、この印象的な冒頭から、変わりゆく都市を舞台に、贖罪と反逆を描く物語を予感させる。だが、全8話の『The Club』(2021年)は、野心と実現のあいだで足踏みすることが少なくない。

時代劇作品でも知られるタンは、母性や階級闘争、イスタンブールの活気あふれるナイトライフを織り込んだ、複雑な物語を紡ごうとする。本作は、波乱に満ちた過去を持つマチルダ・アセオ(バハドゥル)が、高級ナイトクラブで働きながら、反抗的な娘ラシェル(アスデ・カレベク)との関係を取り戻そうとする姿を追う。政治的な不安や社会の変化を背景に据えた設定には、登場人物たちが抱える個人的な葛藤を際立たせるだけの可能性がある。しかし『The Club』は、意欲的なテーマと引き込まれる物語を両立できず、停滞しているように感じられることが多い。

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本作の大きな見どころのひとつは、1950年代のイスタンブールを再現した美術だ。ナイトクラブの豪華な装飾から、時代に合った車や服装の人々でにぎわう街路まで、細部にこだわったプロダクションデザインは高く評価したい。撮影もこの舞台を美しく引き立て、昼の場面では抑えた色調、クラブの室内では豊かで温かみのある色彩へと移り変わる。こうした映像表現が、視聴者を『The Club』の世界へ引き込む臨場感を生み出している。

一方で、物語のテンポは本作の弱点だ。タンは舞台を整え、多くの登場人物を紹介するのにかなりの時間を割くものの、その要素の多くは一貫した物語へとうまく結びつかない。序盤の数話は説明に費やされ、じわじわと高まるはずの緊張感も、最後まで火がつききらない。じっくり進む展開を好む人もいるだろうが、物語が動き出すのを待つうちに、時計を気にしてしまう視聴者もいるはずだ。

『The Club』の演技陣は、出来にばらつきがある。ギョクチェ・バハドゥルはマチルダ・アセオの複雑さや内面の葛藤を、繊細かつ深みのある演技で表現している。彼女の演技がシリーズの感情的な核となり、ともすればまとまりを欠きかねない物語を支えている。ラシェル・アセオを演じるアスデ・カレベクも将来性を感じさせるが、キャラクターの掘り下げは十分とは言いがたい。反抗的な娘という類型はテレビドラマで数多く描かれてきたが、『The Club』はラシェルを際立たせる新鮮な視点を十分に打ち出せていない。

ナイトクラブのマネージャー、イスメト・デニゼルを演じるバルシュ・アルドゥチは、役柄に独特の魅力を添えているものの、その人物のたどる道筋はもどかしいほど予想どおりだ。同じく、セリム・ソンギュル役のサリフ・バデムジとチェレビ役のフラト・タヌシュも堅実な演技を見せるが、脚本の描き込みが足りない役柄に縛られ、存在感を発揮しきれていない。

本作がとりわけ心を引きつけるのは、母性と贖罪を描く部分だ。マチルダとラシェルの関係は『The Club』の感情的な中心にあり、心から通じ合う瞬間と、張り詰めた場面の両方が生まれている。シリーズが目指す、力強いドラマの片鱗が見えるのは、まさにこうした場面だ。

残念ながら、そうした瞬間はあまりに少なく、間隔も空きすぎている。『The Club』は、脇筋に足を取られることが多く、それらは重要性が薄いどころか、無関係に感じられる場合さえある。ナイトクラブという舞台には、陰謀や危険を描く余地がたっぷりあるのに、シリーズは緊迫感を欠き、その可能性を生かしきれていない。マチルダや大切な人たちに迫る脅威も、かなり前から予告されるため、肝心の場面での衝撃が薄れてしまう。

歴史的背景の扱いにも、もうひとつの惜しい点がある。1950年代のイスタンブールは、政治的な不安と社会の変化に揺れる、過渡期の都市だった。『The Club』もこうしたテーマに触れてはいるが、扱いは表面的にとどまり、物語へ自然に織り込むことができていない。その結果、作品と舞台との結びつきが弱くなり、本来なら物語にもたらせたはずの奥行きや豊かさが損なわれている。

ほかの時代劇と比較されるのは避けられないが、『The Club』は同ジャンルの作品に見劣りする。『Magnificent Century』や『Ezel』は、歴史的背景と見応えのある個人の物語を巧みに融合させ、ドラマと陰謀が織りなす豊かな世界を視聴者に届けてきた。それに対して『The Club』は、安全策をとっているように見える。作品を傑作へと押し上げる可能性があった冒険を避けているのだ。

とはいえ、『The Club』に評価すべき点がないわけではない。1950年代のイスタンブールを目を見張る映像で描き、ギョクチェ・バハドゥルが力強い主演演技を見せている。母性と贖罪というテーマにも誠実かつ深く向き合い、心に響く瞬間を生み出している。しかし、テンポの問題や掘り下げ不足の人物像、物語のまとまりのなさが、こうした長所を損ねている。

結局のところ、『The Club』は高みを目指しながら、最後まで届かないシリーズだ。見応えのある時代劇になり得る要素を備えていながら、それらを印象に残る作品へと仕上げられなかった。

キャスト

写真:The Movie Database (TMDB)

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