俳優

ジェマイマ・カーク、画家を自任する『GIRLS/ガールズ』女優がウディ・アレン新作の主演に

Penelope H. Fritz
Googleで追加する
ジェマイマ・カーク
ジェマイマ・カーク
Photo: Crunchydillpickle / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
生年1985年4月26日
London, England
職業俳優、画家
代表作天使たちのビッチ・ナイト, Ava's Possessions, シルヴィ 〜恋のメロディ〜

マドリードのオリエンテ広場にあるカフェのテラス。ゆったりとした白いシャツを着た女性がじっと座る周囲で、何十人ものスタッフが動き回り、いつものフィッシャーマンズハットをかぶったウディ・アレンがカメラの位置を決めている。その女性はジェマイマ・カークだ。この場面がどこか奇妙なのは、彼女が公の場で過ごした年月の大半を、演技は自分の仕事ではないと説明することに費やしてきたからだ。本人いわく、彼女は画家であり、なぜか演技を頼まれ続けている。そして、その依頼は今も途切れていない。

自分自身をどう捉えているかと、映像業界が彼女をどう起用してきたかの隔たりは、これまでの活動のあらゆる場面に通底している。「演技には関心があるけれど、絵を描くことはどうしてもやらずにいられない」と、彼女はCoveteurに語った。演技については、自分にできる量には限りがあるかもしれない、とも付け加えている。「受け入れられる日もある、という感じです」

彼女の家族にとって、芸術はごく自然な選択肢だった。父のサイモン・カークはFreeとBad Companyのドラマーで、母のロレイン・カークはマンハッタンのヴィンテージショップ、Geminolaを経営していた。店の服はSex and the Cityにも登場している。1985年4月26日にロンドンで生まれたジェマイマは、幼い頃にニューヨークへ移り、女優の妹ローラ・カーク、歌手の妹ドミノ・カークとともに育った。ブルックリンのSaint Ann’s Schoolに通うなかで、クラスメートのレナ・ダナムと友人になった。

自分の進みたい道は、早くからわかっていた。「幼い頃から、大人になったら何になりたいかがわかっていた、幸運な子どもたちの一人でした。アーティストになりたかったんです」と、The Untitled Magazineに語っている。2008年にRhode Island School of Designで絵画を専攻し、学位を取得。その後は自分の言葉を借りれば、行き先を見失った時期があったが、美術用品店で出会った見知らぬ人が、自分のアトリエの一角を使わせてくれた。自画像を何枚も描いた末に、街で知り合った人たちにモデルを頼むようになった。

ダナムの初監督長編Tiny Furnitureは、友人たちが出演者を務めるほどの低予算で2010年に制作され、カークはシャーロットを演じたものの、出演料はなかった。HBOがGirlsの制作を決めると、ダナムは彼女を、ゾーシャ・マメット演じるショシャナのボヘミアンなイギリス人いとこ、ジェッサ・ヨハンソン役に起用した。カークが出演を引き受けたのは、現実的な理由からだった。「大金だったんですよね? ちょうど子どもが生まれたばかりでした」と、彼女は振り返っている。当初、役は小さいと聞かされていたが、実際はそうではなかった。ジェッサは2012年から2017年まで全6シーズンに登場し、ダナムは後に、カークがシーズン2の前に降板しようとしていたことを明かしている。

テレビ業界は、Girlsが彼女のなかに見いだしたものを起用し続けた。穏やかさが、静謐さにも、何かが起きる直前の空気にも見えるという持ち味だ。キャリー・ジョージ・フクナガは2018年、NetflixのミニシリーズManiacに彼女を起用。2021年にはSex Educationのシーズン3で、ムーアデールの評判を立て直すために招かれた校長ホープ・ハドンを演じた。サリー・ルーニーの小説を原作とするConversations with Friendsでは、若いカップルの関係に引き込まれていく年上の作家メリッサ役を務め、Apple TV+のCity on Fireにも2023年に出演した。映画では、ジェフ・ベイナ監督の修道院コメディThe Little Hoursでの役や、エマ・フォレスト監督のUntogetherで妹のローラと共演した、苦境にある作家の役など、脇を固めることが多かった。

絵を描くことが途切れることはなかった。ロウアー・イースト・サイドのSargent’s Daughtersで開かれた個展「The Ceremony」は、2017年12月に始まった。自身も花嫁の一人として描かれた、ウェディングドレス姿の女性たちの肖像を展示したもので、長年の交際が終わった後に制作された。Artnetは、花嫁たちが「なんだかひどく不幸そう」だと評している。2025年にはThe Untitled Spaceの展覧会「UPRISE」に参加し、妹をモデルにしたGirl in a Pink Roomも出品。妹が裸でたばこを手にする作品について、彼女は「趣味が悪い。だからこそ過激なんです」と語った。同じ歯に衣着せぬ姿勢は、2015年にCenter for Reproductive Rightsのために撮影した映像にも表れている。大学時代、麻酔を受ける費用を払えず、麻酔なしで中絶した経験を語った映像だ。「恥ずかしいと思ったことは一度もありません」と、彼女は10年後に話している。

カークをめぐる話で居心地の悪さを覚えるのは、スクリーンでの仕事があまりにも簡単に舞い込んだことだ。Girlsはシーズン1から、ロックドラマー、ネットワーク局のニュースキャスター、劇作家、そして著名なアーティスト2人を親に持つ出演者たちの特権性を批判された。カークもその事実を否定したことはなく、初期にはPurpleに、役を銀の盆に載せて差し出されたようなものだと冗談を言っていた。アリソン・ウィリアムズは後に、まさにその特権を風刺した番組だったのに、出演者たちは正当な評価を受けなかったと主張している。カーク自身の説明は、より率直だ。「政治的な側面や、どれほど挑発的な作品なのかはわかっていませんでした。ただ面白いと思っていたんです」。彼女の最新の出演作は、より難しい問いを投げかける。アレンは、養女のディラン・ファローから子どもの頃に虐待したと告発されたことを否定している。しかし2017年以降、彼と仕事をした複数の俳優が、出演したことを後悔していると語ってきた。近年の彼の映画はヨーロッパで制作されており、今回の作品にはマドリード州政府と市政府から公金300万ユーロが拠出されている。カークは、この配役について公の場で発言していない。

YouTube video

彼女が出演するのは、アレン監督にとって51本目となる映画だ。外交官たちを描く現代のコメディで、アレンは「ロマンスがあり、陰謀があり、不貞もあるコメディ」と説明している。マドリードとの契約により、まだ発表されていない作品タイトルには同市の名前を含めなければならない。撮影は2026年10月5日、マドリードとアランフエスで6週間の日程で始まった。主演はカークと、同じくGirlsに出演していたアレクシ・ワッサー。マートン・チョーカシュ、ヤコブ・オフテブロ、ペーター・ビベスが主要キャストに名を連ね、ペドロ・アルモドバル作品を長年手がけてきた撮影監督ホセ・ルイス・アルカイネが撮影を担当する。その8日後、HBOはGirlsが全5話のリミテッド・シリーズとして復活すると発表した。制作は最終回から10年後にあたる2027年を予定している。カークはジェッサ役でダナム、ウィリアムズ、マメット、アンドリュー・ラネルズとともに復帰し、今回は共同製作総指揮も務める。復帰キャストとして発表された顔ぶれに、アダム・ドライバーの名前はない。

カークはブルックリンとイースト・ハンプトンを行き来して暮らしている。弁護士のマイケル・モスバーグとの関係から生まれた子どもが2人おり、2人は2017年に別れた。その後、オーストラリア人歌手のアレックス・キャメロンと数年間交際。彼のミュージックビデオを監督し、キャメロンはアルバムMiami Memoryの大部分が彼女についての作品だと語っていたが、2人はその後別れている。

こうした経歴を経ても、彼女が自ら繰り返し投げかけてきた問いに答えは出ていない。「どんなことでも、全力で取り組めるのは一度に一つまでだと学びました。キャリアを二つ持つなんて、なおさらです」と、彼女は昨年語った。ひとまず、彼女が「受け入れている」と言う仕事の予定が先まで埋まっている。秋までマドリードで撮影し、2027年には再びジェッサを演じる。

代表作

タグ: , , , , ,

Googleで追加する

ディスカッション

0件のコメントがあります。