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三池崇史、『オーディション』から『襲名』へ 團十郎を撮った100本超の監督

Penelope H. Fritz
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三池崇史
三池崇史
Photo: K6ka / CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
生年1960年8月24日
Yao, Osaka Prefecture, Japan
職業映画監督
代表作Audition, 十三人の刺客, Ichi the Killer
受賞Asian Film Award, Tokyo International Film Festival · Special Jury Award, Sitges Film Festival · Time Machine Award, Sitges Film Festival · Nikkan Sports Film Award for Best Director · Yokohama Film Festival Award for Best Director · Grand , Sitges Film Festival (生涯功労) · Maverick Award, Rome Film Festival · Cinema & Arts Award for Best Film, , Venice Film Festival collateral awards (共同)

ほぼ同じ時期に、同じ監督の映画が2本、秋の映画祭シーズンに登場した。ところが、どちらも同じ監督の作品とは思えないほど作風が異なる。1本は、何世紀にもわたって一族が受け継いできた芸名を襲名する歌舞伎俳優を追う、じっくりとしたドキュメンタリー。もう1本は、ギャンブル好きの刑事とFBI捜査官が、失踪した政治家の娘を捜すため東京を駆け回る、『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』の東京版だ。どちらも三池崇史(Takashi Miike)が手がけた作品で、年の前半には日本でチャーリーXCXとホラー映画も撮影している。欧米の観客にとって、三池はいまも『オーディション』や『殺し屋1』の監督だ。一方、日本の映画関係者が知るのは、漫画の実写化や子ども向けのファンタジーを同じ手際で送り出す、もう一人の三池である。そのフィルモグラフィーは、どちらか一方を選んだことがない。

三池は、大阪南部に位置する八尾市で育った。母親は洋裁師、父親は溶接工だった。父親自身はソウル生まれで、三池の祖父は第二次世界大戦中、同地に駐留していた。10代のころは映画よりオートバイに夢中で、レースの道に進むことも真剣に考えていた。大学に進学できなかった彼は、映画学校へ進む。監督になるまでの経緯について、本人の説明は簡潔だ。「ほかに選択肢がなかったから、監督になったんです」

1960年8月24日生まれの三池は、18歳で横浜放送映画専門学院に入学した。同校は今村昌平が設立した学校だが、本人によれば、授業にはほとんど出なかったという。実践の場は撮影現場だった。今村作品を含むテレビや映画の制作現場で、フリーの助監督として何年も経験を積んだ。初期の長編作品は、1991年から日本の映画会社が小予算と緩やかな規制のもとで展開していたVシネマ市場向けに、ビデオ作品として直接制作された。この形式のおかげで、素早く撮影し、劇場公開作では難しい暴力描写や不条理さを押し進めることができた。劇場映画の世界に進出した後も、三池は長くVシネマに立ち戻り続ける。初めて大きな注目を集めたのは、1995年の『新宿黒社会 チャイナマフィア戦争』だった。東京の中国系マフィアを描いたこのギャング映画を皮切りに、のちに「黒社会三部作」と呼ばれるシリーズが始まった。

国際的な転機は、1999年から2003年にかけて一気に訪れた。天願大介が脚本を手がけた『オーディション』は、妻を亡くした映画プロデューサーが新しい妻を見つけるために偽のオーディションを開くという求愛劇として始まり、終盤には拷問シーンへと一変する。その場面は、海外で本作を語る際の代名詞となった。同じ年には『DEAD OR ALIVE 犯罪者』が公開され、東京国際映画祭でアジア映画賞を受賞。続いて『殺し屋1』『ビジターQ』『カタクリ家の幸福』が登場した。『カタクリ家の幸福』は、宿泊客が次々といなくなる家族経営の宿を描いたミュージカルだ。そして2003年には『極道恐怖大劇場 牛頭 GOZU』がシッチェス映画祭で審査員特別賞を受賞した。

挑発的な演出には、マーケティングの狙いも一部あった。そして、それは功を奏した。『殺し屋1』はトロントでのプレミア上映に際し、観客にエチケット袋を配って宣伝された。英国映画分類審査機構は3分強のカットを要求し、ドイツ、マレーシア、ノルウェーでは全面的に上映禁止となった。その数年後、米ケーブルテレビ向けホラー・アンソロジーの一編として三池が監督した『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』は、あまりに刺激が強いとしてShowtimeの放送予定から外された。代わりに、無修正版がDVDで発売された。

その一方で、日本ではヒット作の監督として起用されていた。携帯電話を介して語られる怪談『着信アリ』は続編とハリウッド版リメイクを生み、高校生同士の抗争を描く漫画を原作とした『クローズZERO』はシリーズ作品へと発展した。やがて評価の高い作品も続く。今村昌平の長男である天願大介が再び脚本を手がけた『十三人の刺客』は、2010年にヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、同年、三池は日刊スポーツ映画大賞の監督賞を受賞した。翌年には『一命』がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。木村拓哉主演の『無限の住人』は、2017年にカンヌで上映された際、「三池監督の長編100作目」と銘打たれた。そして、ボクサーを中心人物に据えたギャングの恋愛劇『初恋』は、その2年後、監督週間でプレミア上映された。

作品数の多さが、三池の評価を揺るがせてもいる。欧米で語られる「過激派」としての三池像は、2000年前後の数年間に作られた一握りの作品に基づくものだ。同じフィルモグラフィーには、家族向けファンタジー『妖怪大戦争 ガーディアンズ』や、欧米での三池像にはほとんど登場しない、数々のスタジオ作品の実写化も含まれている。「過激派」というレッテルは現在の作品には当てはまらないが、「堅実な職人」という評価もまた、しばしば的外れになる。リアリズムドラマ『でっちあげ〜殺人教師と呼ばれた男』について、Japan Timesのレビューは、曖昧さを漂わせながら、結局は一方の立場を選ぶ作品だと評した。『バッド・ルーテナント:トウキョウ』は、トロントではさらに厳しい反応を受けた。The Film Stageは、意外なシリーズに加わった怠惰で凡庸な一作と評し、Rotten Tomatoesでは最初の18件のレビューを集計した時点で、支持率は39%だった。これほど大規模なフィルモグラフィーには失敗作も含まれる。そして三池は、失敗を避けるために歩みを緩めたことがない。

2025年6月に日本で公開された『でっちあげ〜殺人教師と呼ばれた男』では、綾野剛が児童虐待を告発された教師を演じている。福田ますみが2007年に発表した著書を原作とし、その後、ゴア国際映画祭の国際コンペティション部門でも上映された。三池はほかに、格闘ドラマ『Blazing Fists』と、富士山の大噴火を想定したNHK特番のドラマパートも監督した。同番組は2026年4月に放送された。

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『襲名』は、三池にとって初の長編ドキュメンタリーだ。97分の本作は、市川團十郎(十三代目)と息子の市川新之助(八代目)が、2022年の襲名披露公演に臨む姿を追う。ナレーションはアンが担当した。監督声明で三池は、作品の出発点を率直な問いとして示している。「市川團十郎(十三代目)とは、いったい何者なのか。それが、改めて問いかけたかった素朴な疑問です」。本作は2026年9月、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション外で上映され、是枝裕和監督作とともに、併催部門のシネマ&アーツ・アワードで最優秀作品賞を分け合った。日本では9月25日に公開された。

『バッド・ルーテナント:トウキョウ』は、シリーズ名を冠した3作目にあたる。アベル・フェラーラ監督による1992年のオリジナル作品と、2009年に公開されたニューオーリンズを舞台にした続編に続く作品だ。タイトルロールを演じるのは小栗旬。リリー・ジェームズ、間宮祥太朗、プロレスラーのリヴ・モーガンが共演し、天願大介が脚本を手がけた。2026年9月14日にトロント国際映画祭で世界初上映され、日本ではソニー・ピクチャーズ配給で10月23日に公開される。米国での配給権はNeonが保有しているが、公開日はまだ決まっていない。

三池は私生活についてほとんど語らない。長年のパートナーである坂美佐子は、仕事上のプロデューサー仲間でもある。彼女の名前は、歌舞伎ドキュメンタリーと東京を舞台にしたスリラー、そして次回作のクレジットにも並ぶ。

次回作は、京都を舞台にしたタイトル未定のホラー映画だ。ロス・エヴァンスと青柳祐美子が、チャーリーXCXと三池のアイデアをもとに脚本を執筆した。チャーリーXCXが演じるのは、友人2人との休暇中に苦悩する霊に取り憑かれる女性、ケイティ。ミリー・オールコックとノーマン・リーダスも出演する。2026年に日本で撮影されたが、公開日はまだ発表されていない。受け継がれる名前の重みを描いたドキュメンタリーの次に、かつてトロントでのプレミア上映にエチケット袋が用意された監督が、ポップスターのゴーストストーリーを手がける。

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