ゲーミング

Steamの審査が最長12営業日に インディー開発者は生成AIゲームの急増を原因と指摘

Adrian Kessler
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Steamでは新作ゲームの審査に最長12営業日かかるようになった。Valveが目標としているのは3〜5営業日だ。また、Valveの担当者が審査に着手する前に、開発者がSteam上で自分のゲームをプレイしたことを証明するよう求め始めている。Valveは申請件数の急増が原因だとしている。一方、審査待ちの列に並ぶインディーゲームスタジオは、もっと端的な理由を挙げる。生成AIで作られたゲームの大量流入だ。

こうした問題はSteamだけに限らない。PCゲーム向けのファン制作MODを集めた大手ライブラリのひとつ、Nexus Modsは新規アップロード時のAI使用申告を必須にした。多くの小規模開発者が出発点とするストア、itch.ioは、AI制作のプロジェクトを非表示にするフィルターを追加した。プレイヤーにとっては、表示ラベルが増え、一部のサイトではAI作品をまとめて除外できるようになったということだ。手作業でゲームを作る開発者にとっては、販売開始までの待ち時間が長くなる。審査の順番は、ゲームがどのように作られたかを問わないからだ。

ValveがSteamworksの開発者向け告知で示した新たなリリース審査チェックリストは、AIではなく、ビルドの不具合を対象としている。開発者は申請前に、Steamを通じてゲームを少なくとも5分間プレイしなければならない。Valveによれば、「Steamを通して一度もプレイされていないビルドを審査することがある」ためだ。チェックリストではほかに、DirectXやVisual C++など、Steamがインストールすべきシステムライブラリの確認、不完全な実績の申告、クラウドセーブ対応をうたうゲームでテスト用セーブデータがSteam Cloudに届くことの確認、ゲームプレイ画面と明記したスクリーンショットを最低5枚提出することも求めている。Valveによると、審査の滞留の多くは、こうした基本項目を満たさず、再審査になったゲームによって生じている。

審査の遅れは、すでに発売計画に影響を及ぼしている。Studio DaimonはFood Devilsを早期アクセスで発売する予定だったが、The Vergeが報じた時点でも、ビルドの提出から数週間が過ぎてなお承認を待っていた。ゲームディレクターのアルフレッド・カモン(Alfred Kamon)は、率直にこう語った。「Steamの審査待ちがAIスロップで詰まっているせいだと考えるしかありません」。パブリッシャーの2 Left Thumbsは、Wheel Make Itの発売を2週間近く逃したと述べた。Cubic Earthの開発者はPC Gamerに対し、トレーラーの再生回数が6万回、ウィッシュリスト登録が6,000件を超えた一方で、Steamのコミュニティページには「プレイヤーからの不満が急速に増えている」と語った。

この問題を裏付ける数字は公式発表ではないものの、規模は大きい。Valveが無料デモを紹介するイベント、10月開催のSteam Next Festには7,240本のゲームが参加した。The Vergeが引用した業界ニュースレターHow to Market a Gameによれば、これは6月開催時より65.2%多い。Engadgetが紹介したRedditユーザーの集計では、10月にSteamで発売されたゲームのほぼ半数に、生成AIの使用申告が付いていた。Valveは独自の数字を公表していない。告知でAIに触れているのも一度だけで、審査担当者が各ゲームとコンテンツ調査票のAI使用に関する回答を照合すると説明している。

最も目に見える対策に踏み切ったのはitch.ioだ。新設された「No AI」オプションは閲覧メニューと検索に表示される。Engadgetがこれを有効にしたところ、表示されるゲーム数は177万本超から42万5,000本未満に減った。同プラットフォームによると、1日に作成されるゲームページの数は2カ月で倍増した。また、Blueskyのフォロワーには「AIスロップを数テラバイト分、削除したところだ」と伝えている。過剰なAI生成コンテンツのアップロードは、すでに同サイトのルールでスパムとして扱われている。

Nexus Modsは一律禁止ではなく、ラベル表示を選んだ。サイト運営者のヴィクター「フォレジーニョ」フォルマン(Victor “Foledinho” Folmann)は、同サイトは「人間の創造性を支持する」としつつも、AI生成MODは禁止しないと記した。その理由は、「全面禁止にしてもMOD制作へのAI導入はなくならず、使ったことを明かすのを妨げるだけ」だからだ。今後、新たなアップロードには「AI-Generated」「AI Media」「AI Assisted」の3種類からラベルを付けなければならない。最後の区分を選んだMODには、使用したツールと、それぞれが具体的に何を生成したのかの記載も必要となる。プレイヤーはゲームページとトップページでAIコンテンツを非表示にでき、検索結果にも同様の設定が加わる予定だ。Nexus Modsはまた、MODをAIの学習に使ったり、そうした利用を行う相手にライセンスしたりしないとしている。新たな権限設定により、作者が同意しない限り、過去のファイルも含め、ホストするすべてのファイルをAI学習に使えなくなる。

3つの仕組みはいずれも、利用者の申告を信頼する前提に立っている。Steam、itch.io、Nexus Modsは、制作者自身によるAI使用の申告に頼っており、未申告のAI素材を検出するツールはどこも備えていない。Nexus Modsはプレイヤーからの報告を頼りにしている。Engadgetは、itch.ioのフィルターで非表示になったプロジェクトのうち、実際にAIを使っているものがどれほどあるのかは明らかにしていない。このフィルターは、制作者がページに付けたラベルに基づいているからだ。3つのプラットフォームの中で圧倒的に規模の大きいSteamには、プレイヤーが使えるAIフィルターがまだない。また、Valveのチェックリストが見つけるのは、起動やセーブに失敗するゲームだ。AIを使って組み立てられたゲームでも、ほかのゲームと同じようにこのテストを通過できる。

Valveは11月3日に変更を発表し、ビルド審査のさらなる改善と、新しいチェックリストの参考ガイドを公開する予定だとしている。Nexus Modsの新しいラベルと権限設定には同日から移行期間が設けられ、2027年1月2日に終了する。それ以降、ルールに準拠しないMODはTrust and Safetyチームに回される。3つのプラットフォームはいずれもルールを世界共通で適用するため、どの地域のプレイヤーにも同じラベルが表示される。Steamに独自のフィルターが加わるまでは、Steam上のゲームにAIが使われているかを知る方法は、ストアページを下までスクロールし、開発者が開示した内容を読むことだけだ。

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