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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は失恋映画として痛快、混沌さえ魅力に変える一本

キャシー・ヤン監督、2020年。マーゴット・ robbie の確信に満ちた演技が支えるけばけばしいスピンオフ。
Martha O'Hara
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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』は、戦いではなく失恋から始まる。ジョーカーに捨てられたハーレイ・クインがゴッサムの街に放り出されるところから、キャシー・ヤン監督の映画は走り出す。エンパイア誌はこれを的確に言い当てていて、スーパーヒーロー映画である前に「別れのあとの再出発」の物語、つまりパンチの応酬がある『マリッジ・ストーリー』だと評している。マーゴット・ロビーはプロデューサーも務め、2015年にワーナー・ブラザースへ企画を持ち込んだ。本作は『スーサイド・スクワッド』(2016年)のスピンオフ兼続編で、DCエクステンデッド・ユニバースの8作目にあたる。2020年1月25日にメキシコシティでワールドプレミアを迎え、アメリカでは2月7日にIMAXやドルビーシネマ、ScreenX、4DXで公開された。

ハーレイは失恋を世間に知らせるため、ジョーカーと結ばれた思い出のエース化学の工場を爆破する。ガーディアン紙によれば、彼女はガソリンタンカーを奪って工場に突っ込ませ、最後の瞬間に飛び降りる。この騒動の代償はすぐ来る。ジョーカーの庇護がなくなったと知れ渡った途端、ハーレイに恨みを持つ連中が次々に襲いかかる。それ以前の彼女は、髪を切り、まだら模様のハイエナを飼い、ローラーダービーに打ち込んでいた。エンパイア誌によると、ハイエナの名前はブルース、バットマンの本名にちなんでいる。パーティーに明け暮れる様子は長回しの1カットで捉えられ、同誌はそれを「コカインでハイになった『1917』」のようだと形容した。落ち着きのない、息切れしそうな導入だが、退屈はしない。

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この映画が弾み出すのは、ほかの女たちが物語に加わってからだ。ダイナ・ランスはローマン・シオニスのナイトクラブで歌う歌手で、エンパイア誌が書くとおり、声でマティーニグラスを割ることができる。歌手として雇われている彼女は、戦いの腕を見込まれてローマンの運転手にも取り立てられる。刑事レニー・モントーヤは署内で軽んじられ、80年代の刑事ドラマの台詞回しに浸って生きている。彼女が追うのは、クロスボウによるマフィア殺しだ。ガーディアン紙は、銃とバッジを出せと言われる場面に『リーサル・ウェポン』や『キス・キス・バン・バン』のシェーン・ブラックの影響を感じ取り、「警官は停職になってからでないと仕事をしない」というハーレイの台詞も引いている。クロスボウの殺し屋ヘレナ・ベルティネリ、つまりハントレスを演じるメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、ザ・ムービー・エリート誌の評者が挙げる名台詞の担い手でもある。そして物語の軸になるのが、スリの少女カサンドラ・ケインだ。彼女はヴィクター・ザッツ(クリス・メッシーナ)から、ベルティネリ家の資産の口座番号が刻まれたダイヤモンドを盗み、逮捕されると飲み込んでしまう。以降のドタバタはすべてこの石と少女をめぐって回る。

一方、ユアン・マクレガー演じるローマン・シオニスは、評価が割れるところだ。ガーディアン紙は、彼をアフリカ美術を収集しながら文化への配慮を欠く、鼻持ちならない富豪として描写している。ザ・ムービー・エリート誌の評者は、マクレガーが拷問はするものの怖さが足りないと不満を述べる。『グッドフェローズ』のジョー・ペシのような、同席するだけで皆が震え上がる悪役を期待していたのに、実際は派手で、ブラックコメディ寄りだというのだ。私はこの意見に半分賛成する。ローマンは怖がらせるより苛立たせる男で、ここが本作でいちばん弱い。悪が重いほど、女たちが組む場面の爽快感も増すからだ。

語り口には別の危うさがある。クリスティーナ・ホドソンの脚本はハーレイ自身のナレーションで進むため、時間軸は彼女のいかれた頭のなかのように行き来する。ガーディアン紙は、絶えず流れるボイスオーバー、入れ替わる時系列、奇抜に振り付けられた殴り合い、静止画に字幕を重ねて紹介される悪党たちを『キル・ビル』からの大胆な借用だと見る。エンパイア誌は本作を「派手で、散らかっていて、おおむね楽しい」とし、すべてがうまくいくわけではないと認める。対照的にザ・ムービー・エリート誌の評者は、非線形の構成でも混乱はしないと言い、小ネタを拾い切るには数回観る必要があるとも書いている。私の印象はその中間で、混乱は確かにあるが、ハーレイの語りがそれを許してしまう。

撮影は2019年1月から4月にかけて、ロサンゼルスのダウンタウンとアーツ・ディストリクト、バーバンクのワーナー・ブラザース・スタジオで行われ、同年9月に追加撮影も実施された。エンパイア誌によれば、企画段階の仮題はロビーの希望で「フォックス・フォース・ファイブ」、つまり『パルプ・フィクション』でミア・ウォレスが出演した幻のテレビパイロットの名前だった。そこには、それぞれ違う個性と特技を持つ五人の女性エージェントが登場する。同誌はこの名前から、ヤンの映画にタランティーノの94年の名作に通じる反骨とロカビリーの気配を読み取っており、女たちのチームが好き勝手に暴れる痛快さという点で、その見立てはうなずける。評価は悪くなかったのに、興行は伸びなかった。全世界の興行収入は2億550万ドルにとどまり、損益分岐点とされる2億5000万〜3億ドルには届いていない。

欠点は多いが、最後まで勢いは落ちない。原題が掲げるのはハーレイの解放だが、ヤンとホドソンは五人の女全員に、自分の足で道を切り開く場を与えている。ガーディアン紙はロビーの目を見開いた狂気じみた笑顔に触れているが、その過剰さがそのまま、このハーレイの愛嬌になっている。ロビーのハーレイは馬鹿馬鹿しいのに目が離せず、マクレガーの悪役が物足りなくても、五人が並んで戦い出す場面の勢いが映画を支える。集結まで時間がかかりすぎるというエンパイア誌の指摘は正しい。それでも、揃ってからの殴り合いの痛快さは、そこまでの回り道を十分に取り返している。

キャスト

写真: The Movie Database (TMDB)

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