映画

ジャンヌ・デュ・バリー:波乱の成り上がりを損なう浅薄な恋愛

Martin Cid
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映画の終盤、王の愛人であるジャンヌ・デュ・バリーを演じるマイウェン(Maïwenn)の、見開かれた絶望的な目にカメラがじっと寄り添う。歴史上、ルイ15世に仕えた最後の公式な寵姫の危うい運命を際立たせる、印象的なショットだ。マイウェン自身が監督を務めた本作は、ヴェルサイユの豪奢な宮殿の陰に追いやられてきたジャンヌの物語を掘り起こそうとする。しかし、力強く前進する一方で、たびたびつまずく映画となっている。

『ジャンヌ・デュ・バリー』は、裁縫師の婚外子として生まれたジャンヌ・ベキュー(マイウェン)が、機知と魅力を武器に貧困から這い上がり、王の寝室へとたどり着くまでの目覚ましい出世を描く。前半は本作の最も優れた部分で、18世紀パリのざらついた手触りのある細部が生き生きと映し出される。擦り切れたジャンヌのドレス、装身具を売り歩く彼女の手元で鳴る硬貨の音、ろうそくの光が煙る娼館。マイウェンの演出はこの部分で確かな手腕を見せ、ジャンヌの野心を、彼女を取り巻く環境の確かな重みのなかに根づかせている。華美ではない撮影も、ジャンヌのつつましい出自とヴェルサイユの金箔をまとった檻との鮮やかな対照を効果的に捉えている。

ジャンヌとルイ15世(ジョニー・デップ)の関係は物語の感情的な核だが、その描き方には難がある。ふたりの逢瀬は安らぎの場として描かれるものの、脚本は彼らの絆の深さを伝えきれていない。親密さを描くはずの場面はぎこちなく感じられることが多く、恋愛を魅力的に見せる火花や緊張感に欠ける。デップの演技は抑制的だが、彼のルイ15世は、より奔放な役柄での印象から抜け出しきれない。マイウェンとのやりとりにはどこか硬さがあり、ふたりの間に本物らしい相性を感じさせるには至っていない。本作は互いを理解し、現実から逃れるための絆としてふたりの関係を描こうとするが、説得力のある表現には届かなかった。

ジャンヌを演じるマイウェンの存在が、本作を救っている。彼女は役柄に荒々しいエネルギーを吹き込み、弱さと容赦のない野心の両方を捉えている。生々しく飾り気のない演技が際立つのは、とりわけジャンヌが宮廷政治の危険な水面を渡っていく場面だ。一方で、一部の批評家が指摘するように、特にジャンヌの運命が決まろうとする後半では、マイウェンの演技が時おりメロドラマに傾く。衣装やセットは申し分なく、歴史的背景は細部まで豊かに再現されているものの、宮廷の駆け引きが続く場面ではテンポが落ちる。そうした場面はドラマの転換点というより、乗り越えるべき障害のように感じられる。

本作の最大の難点は、トーンに一貫性がないことだ。ざらついた人物劇と豪華な時代劇の間を行き来しながら、どちらにも振り切れない。この不統一さは、ジャンヌの人間関係の扱いにも表れている。ルイ15世との関係は物語の中心にあるが、彼女を取り巻く政治的な駆け引きや個人的な裏切りとのバランスを、脚本はうまく取れていない。ラ・ボルド役のバンジャマン・ラヴェルヌ、ル・コント・デュ・バリー役のメルヴィル・プポーをはじめ、脇を固める俳優陣は堅実な演技を見せている。しかし、その存在感も作品のトーンが揺れ動くなかで、しばしばかき消されてしまう。

一部の批評家が指摘するように、『ジャンヌ・デュ・バリー』は主人公の反骨精神と現代性を称えようとしているが、その狙いを十分に形にできていない。ヴェルサイユの過剰な贅沢と陰謀を呼び起こす歴史的な舞台は美しく描かれているものの、ジャンヌの歩みを真に魅力的なものにする物語のまとまりに欠ける。テンポも問題だ。中盤は動きが鈍く、物語の中心にほとんど寄与しない場面に足を取られてしまう。

王の衰弱と死、そしてジャンヌが宮廷から追放される様子を描く最終幕は、本作のなかで最も強く感情に訴えかける。マイウェンの演出はここで厳しく、ひるむことなく、宮廷生活の残酷さを生々しい強度で映し出す。とりわけルイの臨終の場面は力強い。それまで積み重ねてきた感情の重みが、ようやくこの瞬間に結実する。

ジャンルという観点では、『ジャンヌ・デュ・バリー』は『Versailles』や『Marie Antoinette』といった近年の歴史ドラマに連なる作品だが、それらを際立たせた革新的な語り口や映像表現には及ばない。手堅い作品ではあるものの、このジャンルに新しい視点を持ち込むというより、伝統的な時代劇に近い。ジャンヌの視点に焦点を当てたことに独自性はあるが、その切り口も本来可能だったほど深く掘り下げられてはいない。

『ジャンヌ・デュ・バリー』は歴史好きや時代劇ファンには向いている一方、もっと躍動感があり、感情を揺さぶる物語を求める人には響かないかもしれない。

キャスト

写真:The Movie Database (TMDB)

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