音楽

『マクロスΔ』のワルキューレが活動再開、新曲が掲げるのは「負けられない」という宣言

TVアニメ10周年を迎える『マクロスΔ』の戦術音楽ユニットが、オーディオドラマのために書かれた新曲4曲を携えて帰ってくる
Alice Lange
Googleで追加する

フィクションから現実のチャートへ、ここまで説得力をもって飛び出したアニメ発のグループはそう多くない。『マクロスΔ』の劇中で、歌そのものが物語の一部となる「戦術音楽ユニット」として生まれたワルキューレは、画面の外でも本物のアリーナを埋め、チャート首位と日本ゴールドディスク大賞を手にしてきた。アリーナツアーで音楽活動に区切りをつけたとき、それはきれいな幕引きに見えた。だが終わりではなかった。ワルキューレが帰ってくる。復活シングルのタイトルは「ワルキューレは負けられない」だ。

YouTube video

復活はシリーズの周年を祝うSHOWROOMの生配信で発表された。フランチャイズの音楽を手がけるレーベル、フライングドッグはこれに合わせたキャンペーンを展開し、作中のミュージックビデオのフルバージョンを公式YouTubeチャンネルで毎週公開していく。皮切りは前期オープニングテーマ「一度だけの恋なら」だ。

シングルには新録4曲が収められる。加藤裕介が作詞・作曲・編曲を手がけた表題曲は、告知が「ワルキューレらしさ」の真髄と呼ぶ王道の歌謡曲テイスト。Airaによる「No Limit! No Brake!」は、復活後の新境地を示すクラブアンセムだ。「か・い・か・ん」は昭和歌謡とテクノを融合させ、「いけないボーダーライン~Perfect 5 Mix~」は代表曲にストリングスを加え、5人全員で歌い直している。

Jacket illustration by Chisato Mita showing the five Walküre characters in flight suits leaping through space
Jacket illustration by Chisato Mita (CAPCOM). Image: ©2015 BIGWEST/MACROSS DELTA PROJECT

これらの曲が物語の一部のように響くのには理由がある。実際にそうだからだ。4曲はすべて、初回限定盤のDisc2に収録される新作オーディオドラマ「狂走のワルキューレ」のために作られた。脚本は『マクロスΔ』全編でシリーズ構成を務めた根元歳三、レーベルの特設サイトによれば監督は『マクロス』シリーズの生みの親、河森正治。物語では5人が新型MVF(Micro Variable Fighter)のプロモーションをかけてレースで競い合う。特設サイトはこれを「ストーリーと無関係な音楽活動はしない」というワルキューレの信念だと説明する。新たなジャケットは、シリーズのキャラクター原案を務めたCAPCOMの実田千聖による描き下ろしだ。

2016年のデビュー以来、ワルキューレはオリコン週間シングル・アルバムランキング、Billboard JAPAN週間シングルチャートで首位を獲得し、1stアルバム「Walküre Attack!」は日本ゴールドディスク大賞「アニメーション・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。直近のツアー「FINAL LIVE TOUR 2023 ~Last Mission~」はアリーナ6公演で約7万4000人を動員している。メンバーは変わらず、美雲ΔJUNNA、フレイアΔ鈴木みのり、カナメΔ安野希世乃、レイナΔ東山奈央、マキナΔ西田望見の5人だ。

Release announcement for the Walküre single Walküre wa Makerarenai with the tracklist and jacket art
Image: FlyingDog / ©2015 BIGWEST/MACROSS DELTA PROJECT

「ワルキューレは負けられない」は2027年3月24日発売。初回限定盤(2CD、3,520円)と通常盤(CD、1,980円)の2形態で、同日からSpotify、Apple Musicなど各配信サービスでも配信される。ただし初回限定盤の特典ディスクは配信されない。MV公開は11月5日0時の「一度だけの恋なら」からスタートし、その後も毎週4本のMVが続く。

歌で戦いに勝つために生み出されたユニットが、「負けられない」と言い切るシングルで帰ってくる。フランチャイズは自分たちが何者かをよく分かっている。残る問いは、これが10周年の一度きりのアンコールなのか、それとも第二幕の始まりなのかだ。

タグ: , , , , ,

Googleで追加する

ディスカッション

0件のコメントがあります。