ゲーミング

『MAFATE』、車道のないレユニオン島の圏谷で手紙を歩いて届ける癒し系ゲーム

Blue Ramen Studiosが手がける写真と手紙のアドベンチャー、アップデート版体験版をSteam Next Festで公開
Cassian Vale
Googleで追加する

レユニオン島には、道路がまったく通っていない谷がある。インド洋に浮かぶこの島のマファト圏谷(Cirque de Mafate)は断崖に囲まれた火山性のカルデラで、たどり着く手段は徒歩かヘリコプターしかない。点在する集落は長いあいだ、山道を歩いて村から村へ手紙を運ぶ郵便配達人に支えられてきた。レユニオンのスタジオ、Blue Ramen Studiosが手がける『MAFATE』は、その道のりをそのままゲームデザインの前提に据えた。戦うことでも建てることでもなく、「届ける」ことを中心の動詞に置いたコージーアドベンチャーである。

YouTube video

プレイヤーはその伝説的な配達人となり、村や森、滝、崖沿いの小道を歩いて手紙を手渡し、孤立した共同体どうしを少しずつ結び直していく。巧みなのは相棒の存在だ。フランス本土で育ったクレオールの少女Lunaは、祖父の死をきっかけに島へ戻り、不思議な力で魔法のカメラに姿を変えられ、時をさかのぼって配達人の最初の配達路に同行することになる。家族と記憶、そして居場所をめぐる物語が、彼女の目に映るものを通して語られていく。

Framing a villager through the camera viewfinder in MAFATE photo mode
Image: Blue Ramen Studios / Blue Ridge Games

だからこそ、このゲームの本当の言語は写真だ。Steamのストアページでは、忍耐に報いる構図システムが紹介されている。ふさわしい瞬間を待ってフレームに収めると、その写真が旅の記憶になる。時間の裂け目はLunaを1970年代のレユニオンへと運び、谷のあちこちにはBibiisと呼ばれる収集要素の生き物が隠れていて、すべてを撮影したい人を待っている。Lunaの魂はレンズを離れて島固有の動物に乗り移ることもでき、その能力を借りて人間には通れない道へ進み、秘密を見つけ、環境を使ったパズルを解いていく。

発表の中でスタジオは、作品全体を「ゆっくり進むことへの誘い」と位置づけている。戦闘なし、目的地マーカーなし、プレッシャーなし。それは機能の一覧というより、Blue Ramenの意思表明として読める。島の北海岸にあるサント=マリーを拠点とする独立系スタジオで、自らの作品を、喧騒や過剰な刺激から離れた場所で作られた、穏やかで思慮深く、深く人間的なものだと説明している。チームはGamescomにあわせてケルンで開かれたEuropean Game Night 2025のフランス代表に選ばれた。パブリッシャーはBlue Ridge Gamesで、IndieGameBusinessとThe Powell Groupの関係者が立ち上げた新レーベルだ。

Luna possessing a duck swimming across a pond in MAFATE
Image: Blue Ramen Studios / Blue Ridge Games

『MAFATE』に重みを与えているのは、舞台が架空の場所ではないという事実だ。この圏谷は2010年にユネスコ世界遺産に登録された「レユニオン島の尖峰群、圏谷群および岩壁群」の一部であり、ゲーム内の木製の道標は実在の地名を指している。Marla、La Nouvelle、そしてPiton des Neigesだ。癒し系ゲームはたいてい「どこか別の場所」への憧れを描く。だがこの作品は実在するある場所の肖像であり、同じ島に暮らす人々の手で、おもちゃのようなやわらかな色彩で描かれている。

アップデートされた体験版はすでにSteamで配信中で、10月19日に始まるSteam Next Festでも紹介される。『MAFATE』の対応プラットフォームはWindows PCで、英語とフランス語に対応する。発売日はまだ決まっておらず、Steamでは「近日発表」と表示されている。スタジオはそれまでのあいだ、ウィッシュリストへの登録を呼びかけている。

タグ: , , , , ,

Googleで追加する

ディスカッション

0件のコメントがあります。