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山寺宏一、ビルスから無断生成AIまで 「七色の声」は誰のものか

Penelope H. Fritz
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山寺宏一
山寺宏一
Photo via The Movie Database (TMDB)
生年1961年6月17日
Shiogama, Miyagi, Japan
職業声優
代表作Kiki's Delivery Service, Ghost in the Shell, Dragon Ball Super: Broly
受賞Galaxy · 2 Seiyu Awards · Famitsu Awards · Japan Movie Critics Awards

東京のキャスティングディレクターたちには、なかなか決め手が見つからない役について、こんな合言葉がある。迷ったら山寺宏一に頼め。そうした定番の選択によって、山寺宏一はウィル・スミス、エディ・マーフィ、ジム・キャリーの日本語吹き替えを担当し、ドナルドダックやジーニー、賞金稼ぎのスパイク・スピーゲル、そして『ドラゴンボール』の退屈しきった猫耳の破壊神ビルスの声を演じてきた。日本では「七色の声を持つ男」として知られる。仕事の腕を磨けば磨くほど、個々の役の声は演じている本人の声から遠ざかっていく。それこそが技であり、同時に落とし穴でもある。

いま彼をめぐる問いは、その声という楽器の持ち主は誰なのか、ということだ。今月、Fuji TVとCrunchyrollで始まったシリーズの再構築版『Dragon Ball Super: Beerus』では、山寺が何年も前にオリジナルシリーズのために収録した音声が、新たなアニメーションに合わせて編集され、ビルスの声として使われている。新しいセリフを収録しないと聞いて驚いたと明かし、「当時収録したものを使って、そこから新しい作品を作るんです」と、幸運なことだと語った。本人の同意があれば、それはリマスターだ。同意がなければ、山寺と約二十人の仲間が「NOMORE Mudan Seisei AI」キャンペーンで公然と抗議した事態と同じになる。収録ブースに立ったことのない人々が、朗読や歌、声そのものをネットに投稿し、ときには販売していることへの抗議だ。

収録ブースへと続く道は、大学の落語研究会から始まった。山寺は生まれ故郷の宮城県塩竈市から数キロの多賀城市と利府町で育った。1961年6月17日、彼は自衛官の息子として生まれ、耳を傾けてくれる人がいれば誰にでも『仮面ライダー』の悪役のものまねをしていた。多賀城高校ではバスケットボール部のマネージャーを務めたが、その仕事の大半は声を張り上げることだった。商学を学んだ東北学院大学では、落語研究会を「はなれ家文光」の高座名で率いていた。今も山寺は、あの研究会がすべての始まりだったと語る。広告代理店から内定を得ていた彼が、大学生協で手に取ったのは『How to Become a Voice Actor』という本だった。22歳で上京し、俳協の養成所に入った。

デビューは1985年、OVA『Megazone 23』でバイクに乗る友人役を演じたときだった。続いて『Bosco Adventure』でカワウソ役を務め、テレビアニメで初のレギュラー出演を果たす。吹き替えの仕事は、先輩俳優の結婚披露宴で披露した余興が関係者の耳に留まったことから、偶然始まった。初めて主役を吹き替えた作品は、1988年の『Young Sherlock Holmes』だった。同じ年に『Soreike! Anpanman』の犬のチーズ役も始まり、今も演じ続けている。1989年の『Ranma ½』では、方向音痴のライバル・響良牙と呪泉郷の案内人という二役を同時に担当し、やがて業界が彼をどのように起用するようになるのか、その萌芽を見せた。

1990年代に、山寺のイメージは定着した。『Neon Genesis Evangelion』では裏表のあるエージェント、加持リョウジを演じ、続いて渡辺信一郎監督の『Cowboy Bebop』でスパイク・スピーゲルを担当。この役で海外のアニメファンにも名前が知られるようになり、後には『Ghost in the Shell: Stand Alone Complex』で捜査官のトグサを演じた。1997年からはTV Tokyoの子ども向け番組『Oha Suta』の司会も務め、平日の朝に18年半にわたって出演。2016年に、若い世代へバトンを渡す時期だとして番組を卒業した。一方で、ウィル・スミス本人のお墨付きを得て、彼の日本語吹き替え声優としても定着した。2019年、東京でのインタビュー中、スミスはその場で自分の声を吹き替えてほしいと山寺に頼んだ。

2010年代は、役を受け継ぐ時代だった。2011年には『Lupin III』の銭形警部役を、40年にわたり演じてきた納谷悟朗から引き継いだ。『Space Battleship Yamato 2199』ではガミラスの指導者デスラーを演じ、2013年の映画『Dragon Ball Z: Battle of Gods』でビルスの声を初めて担当し、そのまま『Dragon Ball Super』にも出演した。『The Last of Us』ではジョエルを演じ、キャラクターボイス部門でFamitsu Awardを受賞。『Danganronpa V3』では、女の子も含むモノクマーズ5体すべてを演じた。TV Asahiが2011年と2017年に、現役の声優たちに同業者の中で最もすごい人物を尋ねた際、山寺はどちらの調査でも1位に選ばれた。

天才という評判について、本人は異を唱える。自分は天才ではなく、憧れてきた先輩たちから技を盗みながらキャリアを積んできたのだと語り、今も追いかけている師匠として羽佐間道夫の名を挙げる。三谷幸喜のドラマ『Aikotoba wa Yūki』でGalaxy Awardを受賞した後も、実写の演技は苦手だと言う。画面の中では自分が浮いているように感じるからだ。また、コアなファン向けの深夜アニメには、ほとんど起用されないとも語っている。出演作は子どもや家族向けのものに偏っている。2016年のインタビューでは、ものまねへの評価をネットで探していたところ、褒め言葉ではなく、こんな評を見つけたと明かした。山ちゃんは何をやっても60点くらいで、0点は取らないが、100点にもならない。キャリアに対する最も鋭い批評は、匿名の投稿者から寄せられたものだった。幅広い声を演じられることが、安心して任せられる理由になった。「迷ったら頼む」というのは、「ほかに選択肢がない」という意味ではない。

近年の動きは、その問いへの答えのようにも見える。2022年には、気に入った海外作品『Only Murders in the Building』の日本語吹き替え版を、初めて自ら企画。マーティン・ショート演じるオリバーの声を担当し、ほかのキャストの選定にも加わった。60歳を過ぎてから、初めて本格的なボイストレーニングを始めたのは、長く続く番組を見て育った視聴者に、キャラクターの声が衰えたと感じさせないためだ。2021年にはラジオパーソナリティーの岡田ロビン翔子と結婚。それ以前に結婚した声優のかないみか、田中理恵とは、いずれも離婚している。

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仕事量はいまだ衰えていない。2025年には『Lazarus』で渡辺信一郎監督と再び組み、奇跡の新薬を開発したものの、致命的な副作用を隠していたノーベル賞受賞科学者、スキナー博士を演じた。同じ秋には『Kamen Rider ZEZTZ』で、話すベルトのバックル役を務めることになった。この夏には、日本公開版『Minions & Monsters』でモンスターのグミを演じ、2月には幼少期を過ごした多賀城市からアンバサダーの一人に任命された。『Dragon Ball』の再構築版は、10月11日に日本のテレビで放送される前に、New York Comic Conで世界初上映された。

次に待つのは、ある種の別れだ。10月30日、日本の映画館でリメイクシリーズ最終章となる『Be Forever Yamato: Rebel 3199』第7章が公開され、山寺はデスラー役に戻る。そこで語られるセリフは新たに収録されたもので、ブースに立つのは本人だ。これこそ、この2年間、彼が守るために声を上げてきた形なのだ。

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