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『ベルリン』──華やかさの裏に難も抱える前日譚

Martin Cid
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ベルリンの冒頭を飾るのは、夜のセーヌ川をゆっくりと横切るカメラだ。闇のなかで光り輝く「光の都」が、華やかさと危険の物語を予感させる。Netflixの『ペーパー・ハウス』の前日譚にあたる本作は、オリジナル版の息詰まる緊張感に代えて、よりスケールの大きな世界を股にかける強盗スリラーを描く。ただし、惜しい点がないわけではない。

ベルリンの核にあるのは、古典的なケイパー映画へのラブレターだ。『ペーパー・ハウス』で演じた、カリスマ性あふれる犯罪の天才、アンドレス・デ・フォノジョサ、通称「ベルリン」をペドロ・アロンソが再び演じる。本作はベルリンの過去に踏み込み、パリでの華やかな暮らしと、4400万ユーロ相当の宝石を狙う大仕事のために仲間を集める姿を描く。第1シーズン『Berlin and the Jewels of Paris』の主な舞台はフランスの首都。2:1のワイドな画面比率によって登場人物には息をつく余地が生まれ、街の魅力もいっそう鮮やかに映し出される。

ベルリンの魅力としてまず挙げたいのは、中心となるキャストの息の合った掛け合いだ。アロンソは持ち前の魅力と機知を発揮する一方、強烈で一切ひるまない存在感で場面をさらうのが、ケイラ役のミシェル・ジェンナーだ。ベルリンと、彼が罪を着せようとする男の妻カミーユ(サマンサ・シケイロス)との関係は、物語に感情の複雑さをもたらし、単なる見せ場の連続にとどまらない作品へと押し上げている。ベゴーニャ・バルガス、トリスタン・ウジョア、フリオ・ペーニャ・フェルナンデスら脇を固める俳優たちも好演し、強盗劇に仲間同士の確かな絆を根づかせている。

見せ場の演出も本作の強みだ。とりわけ強盗計画そのものは、緻密さと緊張感を保ちながら展開する。撮影は贅沢な質感をたたえ、パリの美しさを捉えると同時に、その表層の下に潜む道徳的な退廃も浮かび上がらせる。ルーカス・ペイレの音楽、とりわけ心に残るメインテーマBullets and Flowersが、物語にさらなる感情の奥行きを加えている。

一方で、強盗劇の仕組みと恋愛ドラマを両立させようとすると、ベルリンは足元が揺らぐ。カミーユとの恋に大きく比重を置く展開は、演技こそ見応えがあるものの、比較的まっすぐな強盗劇の筋立てとしばしば噛み合わない。序盤の数話はテンポにむらがあり、いくつかのサブプロットも、物語に自然に織り込まれているというより、後から付け加えられたように感じられる。

第2シーズン『Berlin and the Lady with an Ermine』では、物語の焦点を絞り直すことで、こうした問題の一部が改善されている。ベルリンの兄である教授役にアルバロ・モルテが加わり、物語に新たな魅力的な力学をもたらす。ただ、ときには不可欠な物語上の選択というより、ファンへのサービスに感じられることもある。セビリアでの強盗計画は巧みに描かれているが、複数のジャンルをどう両立させるかという課題は、依然として残っている。

クリエイターのアレックス・ピナとエステル・マルティネス・ロバトは、それまでの作品を経て、もう少し「軽やかな」ものを作ろうと考えた。『ペーパー・ハウス』と比べると、ベルリンにはコメディーの要素が増え、出演者もロケ地もより多彩になっている。そうしたトーンの変化は、登場人物やその人間関係の描き方にも表れている。画面比率を広げたことで、登場人物たちが周囲の景色を「より豊かに体験できる」ようになり、映像の魅力は増した。その一方で、物語の焦点がぼやけることもある。

国際色豊かな舞台設定も本作の魅力であり、パリはそれ自体がひとりの登場人物のような存在感を放つ。街の象徴的な名所から人目につかない一角までが美しく描かれ、物語に厚みを添えている。ただし、世界を舞台にするアプローチが、ときに表面的な飾りに感じられることもある。ロケーションが登場人物の感情の軌跡よりも前面に出てしまうのだ。

ベルリンの際立った要素のひとつは、愛や忠誠、裏切りといったテーマを掘り下げている点だ。ベルリンの複雑な人間関係、とりわけカミーユへの愛と仲間への忠誠が丁寧に描かれる。こうしたテーマには繊細さと奥行きがあり、犯罪に手を染める登場人物たちにも共感しやすくしている。

第2シーズンでは、セビリアを舞台に、ダ・ヴィンチの傑作を狙う新たな強盗計画が描かれる。舞台と標的の変更はシリーズに新鮮さをもたらす一方、弱点も浮き彫りにする。第2シーズンはテンポがより安定しているものの、複数のジャンルを両立させる難しさは残る。教授の登場は物語に新たな興味を加えるが、その存在がときに無理やりに感じられる。クリエイターたちがベルリンを『ペーパー・ハウス』につなげようと、少し力を入れすぎているようにも見える。

ベルリンの演技陣には、際立つ部分と物足りない部分がある。ベルリン役のペドロ・アロンソは素晴らしく、役柄に魅力とカリスマ性を吹き込んでいる。ケイラ役のミシェル・ジェンナーも輝きを放ち、人物像に深みと複雑さを与える。一方、トリスタン・ウジョアやフリオ・ペーニャ・フェルナンデスら一部の脇役は、十分に活かされていない印象だ。人物設定は興味深いものの、主役たちの存在感に押されがちである。

テンポにも難がある。第1シーズンは好調な滑り出しを見せるが、中盤のエピソードで勢いを失う。第2シーズンでは改善が見られるものの、物語の進みが鈍る場面は依然としてある。この不安定なテンポのせいで、実際の長さ以上に長く感じられることもある。演技もストーリーも魅力的なだけに、惜しまれる点だ。

欠点はあるものの、ベルリンは『ペーパー・ハウス』の世界を広げる、堅実な一作だ。華やかさと中身の両立に常に成功しているわけではないが、どちらも十分に備えている。アロンソの演技は見どころであり、映像の華やかさも目を楽しませてくれる。愛や忠誠といったテーマを掘り下げることで、単純な強盗スリラーにとどまらない物語になっている。

結局のところ、ベルリンは『ペーパー・ハウス』のファンにも、強盗スリラー全般が好きな人にも楽しめるシリーズだ。力強い演技、引き込まれるストーリー、見事な映像がそろい、狙いどおりに決まらない場面があっても、見る価値は十分にある。

キャスト

写真:The Movie Database (TMDB)

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